【A3!】向日葵は君に似合わない 2

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「お前は、」

『え？』

「お前は嫌じゃなかったのか」

『私は、』











『全然普通だった、かな』

「意外だな。」



そんなに意外なのだろうか、私が真面目にドラマを見ていることが。少なくともわりと人並みの感想を言ったつもりだったのに。



『あの役は皇天馬くんというより、天馬くんの演技が上手すぎてあの世界のキャラとして見てたので特には…』

「そういうことかよ」




私の話を聞いて彼は少し笑った。夏組のみんなといる時と比べるとすごく静かだ。そう考えるとあそこまで天馬くんを振り回す夏組の自由っぷりには頭が上がらない。


『あ、』

いつの間にか小さくなっていた線香花火の光がパチっという音と共に私の足元に落ちた。最初に震えていたからかやっぱり私の方が早かった。むしろ最初に震えていたにも関わらずここまで保てていたことに驚きだ。




「はは、お前の負けだな」

『天馬くんのはまだ落ちそうにないね』

「当たり前だろ、オレ様に勝つなんて100年早い」




線香花火でさえも、目を輝かせて楽しそうにするものだから彼からずっと目が離せなかった。「線香花火を楽しそうにする推し」はあまりにも目に優しくて健康に良い。今の瞬間をカメラに収めてアクリルスタンドにでもしたい。

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