B型男子にはご用心 snm

ノベルティグッズ ページ10

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翔くんからノベルティグッズのデザインを急ぎで
考えて欲しいってもらった仕事


FtB.(エフティビードット)ってロゴをみて驚いた


これ、ふっかの会社のヤツじゃん…

翔くんの元へ行って話を聞くと

FtB.の方からノベルティの依頼がきたってことだった


「大野さん、なに？受けちゃまずい案件だった？」


「いや、まー、うん
俺も言って無かったから…」少し悩んだけど翔くんに
は話しておいた方がいいと思って
Aとふっかの関係を話した


話し終わると翔くんは
「そっか…断ればよかったなこの話
A大丈夫かな…」ってAの方を見ながら
呟いた

「今さらやっぱりやりたくありませんなんて言えない
んでしょ？
ならバチバチにカッコいいグッズ考えちゃる」


「さすがです、大野さん…ぜひそうしてやって？」


Aの様子は気がかりだけど、まぁ仕事だし
切り替えてデザインを考える


グッズはカナビラつきのピルケース


FtB.の代表色の黒一色でロゴを盛り上げて
薄く橘の花を透かす


こんなことしてもAは喜ばないかもしれないけど
Aがちゃんとそこにいた証を証明したくて
そんなデザインを考えた


向こうの窓口になってるのはデザイナーの平野って
こ

その子に花の意味は"橘"には邪気を払うという
意味もあることを含めて説明した

するとそれで、進めて下さいと返事をもらえた

もしかしたら俺の意図を汲んだのかもしれない


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大学を辞める前、留学の話をするためにAに
会った


「大野先生、ありがとうございます
でも私、留学より、絵よりやりたいこと見つけ
ちゃったの…ごめんね、先生」

って笑ったAは一片の曇りもなく、真っ直ぐ
キラキラ瞳を輝かせてそう言った


そして苦労しながらも深澤が出したかった黒を
作ることに成功した

しかし、染めても売れなきゃ金にもならなくて
Aはアパレルブランドを立ち上げた

金も無くて、ノウハウもない二人
でもAには発想力があったんだろう

デザイナーを探すのをやめて
Aは専門学校を訪ねてデザイナーの卵を
スカウトしたんだ

そんな博打みたいな勝負に出たAとふっかは
その大博打に見事勝った

無名のアパレルブランド、無名のデザイナー、無名の
モデル

雑誌の街角スナップから始めて、
SNSのインフルエンサーも動員して火をつけていった

一年後には一等地に路面店を出す話が
まとまったと聞いた

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