真選組の不器用少女 (ページ22)

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7:15分になり隊士たちの半分以上が食堂に足を運んだ

隊「おいっ。食堂いい匂いすんぞっ」

隊「クンクン。ホントだ！」

隊「カレー...の匂いじゃないか？」

隊「おお！！」

隊士たちのひそひそ話が台所にまで届く

土「Aがひとりで作ったんだぞ」

隊「副長?!」

土「礼ぐらい伝えろよ」

(お礼...なんていいのに)

隊「は、はい！」

隊士達「Aさん！ありがとうございます！！」

意外と大きな声だったのでビクッと肩がはねた

『ぅわ！...び、びっくりした…』

山「Aさん。ありがとうございます。」

山崎さんが個別に伝えに来た

『いいえ。隊士さん達には元気でいてほしいので』

山「(いい人...！！)」

山崎さんと別れて食器などを片付ける

隊士の半分以上が食堂を離れ稽古に向かう

それとすれ違いで総悟が食堂に来た

「今日はカレーですかｨ」

『うん。栄養満点だから』

そう言って総悟の前にカレーを置く

「美味そうでさぁ」

『ふふっ。ありがとう』

それから総悟の前に座り他愛ない話をした

「Aって料理得意なんですかｨ？」

『うーん。得意ではないけどある程度のものなら作れるよ』

「へぇー」

『総悟の好きな食べ物って...ある？』

「いや、なんでも好きでｨ」

『うー...ん』

総悟の好きな食べ物作ってあげようと思ったけどねー…

「あ！ありやした」

『おっ！なにが好き？』

「Aが好きでさァ」

『......え？』

「だからAが好きでさァ」

『いや...冗談やめてよ』

「冗談じゃねぇでさぁ」

「Aが好きなんでさァ」

かぁーと熱くなる頬を隠すようにそっぽを向く

『からかってんなら他、当たってよ』

本当は嬉しくて嬉しくて仕方ないはずなのに、それとは裏腹にトゲトゲした言葉が出てくる

「からかってなんかねぇ。本気でAが好きなんでｨ」

『...』

この状況に耐えられなくなり立ち上がる

ガタッと椅子が倒れたが
そのまま走る

「あっ...Aっ」

私を呼ぶ声がしたがそんな総悟を食堂に残したまま走って部屋に向かう

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