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「……んんっ、とりあえず元気そうでよかった」
軽く咳払いをしてから硝子ちゃんがそう言う。
「まー僕の弟だからねー!そう簡単には死なないよ」
そう言って悟が背中をバシバシ叩いてくる。
硝子ちゃんが反転術式で治してくれているので、“怪我人に何すんだ”という言い訳が通用しない。
面倒くさいので、されるがままになっていると、硝子ちゃんがやめさせた。
凄く有難い。
「あ、そういえばみんなは?」
話を逸らすように僕が聞いた。
「外にいるよ〜みんな心配してたし、顔出してきな」
「ん、ありがと」
そう言って寝かされていたベッドから降りる。
そしてドアに向かって早足で歩いて行った。
「硝子ちゃん!治してくれてありがとね!」
そう言って手を振って、部屋を飛び出した。
あ、わすれてた。
急いでドアの前に戻って、
「悟兄も、改めて運んでくれてありがと!」
それだけ言って僕は外に向かった。
その直後。
「……僕の推しが尊い」
「推しって……颯のこと?」
「うん」
とかいう悟と硝子ちゃんの会話があったとか、なかったとか。
そんなことはさておき。
グラウンドに出ると、みんながいた。
「あ、いたいた。おー……」
“い”と言う前に、別の思ったことが口に出た。
「え、何々リンチ?」
「人聞き悪いこと言うな」
僕の発言に真希が反応する。
「え、だって乙骨君と真希だよ?そこで戦闘訓練ダメでしょ、リンチでしょ」
そう、僕が見た時、真希と乙骨君が戦っていた。
どう見てもリンチでした。
「違うわ!」
「おー、颯。やっと起きたか」
そう言ったのはパンダ。
「うん起きた。おはよ」
てきとうに手をヒラヒラ振りながら言った。
「棘と乙骨君も、おはよー!元気ー?」
そう2人に声をかける。
「しゃけ」
「あ……うん……?」
しばらくの沈黙のあと
「……僕、乙骨君と仲良くなりたい!」
僕がそう叫んだ。
「「は?」」
冷めた目で、真希とパンダに言われた。
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そこら辺に生えてる雑草() - しゅき…((( (2021年10月23日 9時) (レス) @page12 id: dc8ec99537 (このIDを非表示/違反報告)
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