女装系呪術師くん【呪術廻戦】 (ページ12)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:20,562 hit

12 ページ12

伊地知さんの車に乗ってすぐに例の学校にたどり着いた。

そして、すぐに校舎内に僕たちは入った。

外では伊地知さんが帳を降ろしてくれているはず。

「よし、さっさと祓って悟兄にファミレスで奢ってもらお」

「え、えぇ？」

そんなちょっとした話をして、僕らは呪霊を探した。

「帳降りてるのに、数少ないね……」

憂太がそう言った。

「確かに。居ないならそれに越した事はないんだけど……逆に怖いっていうか」

不気味だと思う。

「だぁぁぁ、さっさと出てこいよ呪霊ぃぃい！」

そう僕は叫んで、教室のドアを思いっきり蹴る。

「ちょ、いくら廃校だからってそれはダメだって！」

「……分かってるけどさ」

いや、衝動的にやったのでそんなこと思っていなかったが。

とりあえず進もう、そう思って蹴ったドアに背を向けた。

「だぁぁぁぁれぇぇえ」

その直後、ドアの中から声がした。

「……まじか」

僕が蹴ったドアの先……教室の中に呪霊がいた。

ある意味すごい奇跡だろう。

僕と憂太は臨戦態勢を取った。

音を立てずにスッと教室のドアが開く。

僕らはゴクリと唾を飲んだ。

こんなに近くにいて呪力を感じなかった。

きっと相当強い。

ドアから顔を覗かせたのは、人間を少し溶かしたような、そんな気色の悪い呪霊だった。