case 3_雇い主 ページ12
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田中さんに大口を叩いてから挑発に乗せられ、松村さんに心配そうに見つめられた結果、転職先と住居が一度に決まり、今は事務所の2階の空き部屋で荷解きをしている。
そこへ松村さんがまた心配そうな顔をしてやってきた。
松村「妃河岸さん、本当にご実家に戻らなくていいんですか…？」
「はい、言ったのは私ですので、今日からお世話になります。あの人の面倒は見たくないですけど松村さんに怪我をした状態で働いて欲しくないんです」
松村「俺としてはあなたが一緒に働いてくれるのは嬉しいんですけど…あまりにとんとん拍子で決まったものですから…」
「お見苦しいところをお見せしちゃいましたね、貯金でのんびり暮らすとは言ったものの頭では転職のことを考えていたし、悪い話ではないんです…雇い主は最悪ですけど」
目の前にいる松村さんに対する「怪我をしながら働かないで欲しい」という感情と「田中さんの助手にはなりたくない」という感情をいまだに天秤をかけても前者の方が重くて、もしこれで松村さんが救いようのないクズだったとすれば私はとことん人を見る目がないと思うしかない。それくらい私は覚悟を決めてしまった
松村「お荷物、少ないですけどなにか必要なものとかはありますか？」
「大丈夫です！結構物は多かったんですけど職場に着て行ってた服とか、…なんか気持ち悪くて色々捨てちゃって」
松村「そうですか……妃河岸さん、信じられないと思うんですけど樹…被害者のあなたがこんな思いしてること、俺が言うのも変な話だけど、すごく怒ってるんです」
「…田中さんが？」
松村さんと話しながらも荷解きを進めていた私だけれど、意外すぎることを言われて思わず手を止める。
松村「はい、捜索中もずっとあなたに何かないか心配していたし、もちろん俺も心配してたし今の状況は理不尽だと思うけど…ほらあいつは特に分かりにくいでしょう？」
「…すごく」
松村「100%の悪いやつじゃないんです。説得力ないだろうし身内贔屓でしかないかもしれないけれど」
松村さんの言葉は彼の言う通り、正直今の話じゃ説得力がない。それは紛れもなく田中さん自身のせいなのだが、先日送ってもらった時から感じ取っていた優しさはきっと本物なのだろう。
「段々わかるようになりますかね？」
松村「そうかもしれないです」
「…今日の夕飯、何がいいか聞いてきます」
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ぴび(プロフ) - ちゃんとしりとりになってるの面白すぎるw！更新頑張ってください^^ (6月5日 21時) (
レス) @page47 id: 1bc63c0c6d (このIDを非表示/違反報告)
パラド(プロフ) - とてもどタイプな小説見つけちゃいました♪探偵×田中樹最高すぎます🥹🫶陰ながら応援してます😊 (6月2日 16時) (レス) @page40 id: 9f4f512c52 (このIDを非表示/違反報告)
鬱金香(プロフ) - annaさん» ありがとうございます！ソース派かタルタル派か小競り合いさせたいがためすっかり忘れてました🥺ご指摘ありがとうございます🙇♀️ (5月16日 21時) (レス) id: 3cbde8debb (このIDを非表示/違反報告)
anna - すいません、最後のこれからがこれさらになってました。何度もすいません (5月16日 18時) (レス) id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
anna - このお話大好きです！めっちゃ面白いです。これからも応援してます！！あと、一つ訂正というかあれなんですけど、松村さん甲殻類アレルギーなのでエビ食べれないかと、、いきなりすいません！これさらも応援してます！ (5月16日 18時) (レス) id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
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