31話 ▼ ページ33
生徒A「Aさんテスト高得点じゃん!」
生徒B「凄いね!」
『ありがとう』
今まで頑張ってきたこともあり、学年では常に成績トップとして見られるようになった
それがとても嬉しかった、皆が私を頼ってくれる
友達に勧められ生徒会にも入り、充実した学校生活を過ごしていた
ただ一つ欠点があった
生徒A「ねえAさん、ここどう解けばいいのか分からないんだけど、教えてくれない?」
『いいよ、ここは……あれ?』
この問題ってたしかコツを掴めばなんとか解けるはず
なのに、うまく言葉に表せない…そもそもどうやって解いてたっけ?
『…ごめん、解き方が分からなくて、他の人に聞いてもらっていいかな』
生徒A「…え、あー、こっちこそごめんね頼んじゃって」
女子生徒はそう言って足早に去っていった
『…なんでいつもこうなるんだろう』
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時が経つのは早く三年生になり受験の時期が近づいていた
そして私には看護師になりたいという夢があった
その目標のおかげで今まで頑張れたと言っても過言ではない
先生も友達も、お母さんお父さんも応援してくれている…だから頑張らないと
担任「残念ですが、今回の入試は…不合格です」
『――え…?』
不合格、私が一番聞きたくなかった言葉だ、当日は手応えもあったのに
『ぅ、そ、ですよね…?だって私、あんなに努力して―――』
そのとき先生の目を見て確信した、夢なんかじゃない、本当に落ちてしまったんだと
家に帰るために昇降口まで来たとき、ヒソヒソと話しているのが聞こえた
生徒A「Aさん、あそこの高校落ちたらしいよ」
生徒B「え、そうなの?絶対受かると思ってたのに」
生徒A「…でもさ、Aさん案外賢そうに見えてけっこうドジだったりするよね」
生徒B「そうそう遅刻があったり忘れ物したり、ただの真面目キャラだったんじゃない?
…Aさんうちらが思ってたのと違ったね」
『……。』
そんな風に思われてたんだ
…はは、結局私は何も変わってなかった
――劣等生のままだった
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みずな(プロフ) - 面白かったです!連載終わっちゃったの寂しいな… (2022年3月24日 20時) (レス) @page9 id: 6e79866175 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らねい | 作成日時:2022年2月28日 18時