七十五日目 ページ27
痺れを切らした直人が帰ると言って出ていった。巫山戯んなよ、アホ直人。気まずい空気を分かっていて立ち去るって、君は鬼かよ。
直人がドライブをしようと提案したので、ヒナの車に乗った。
とはいっても空気はさっきと変わらず気まずいままだったし、ヒナが乗る後部座席には乗らず助手席に座った。
それより気になる物があった。
ヒナの胸元で光る、四つ葉のクローバーのネックレス。信じられないことに、まだ付けていてくれたのだ。
もしかして・・・、ヒナはまだ私のことを気にかけてくれている?
(・・・それは無いか。)
付け上がるのはよそう。変に調子乗ってたら、後できっと痛い目をみる。
―――なんにも期待するな
期待しなかったら絶望することもないし、
信じなかったら裏切られることもない。
きっと、偶々同じようなデザインのネックレスを買っただけだろう。
(・・・私、なんでここに居るんだろ。)
こんな思い出まで残して、私はなんであんなにヒナに固執してたんだっけ?
なんでバイトに縋って「生」にしがみついてんだっけ?
わからない。わからない・・・
ヒ「ねぇ!車止めて!」
直「どうしたの?急に・・・。」
ヒ「二人で歩かない?慈ちゃん。」
「え、うん・・・。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ヒ「懐かしいなぁ、この公園。」
綺麗な夜景が見えるこの公園。
何かしら思い出のある場所なのだろう。聞いてみたら、
一瞬、悲しそうな顔をして黙ってしまった。が、またすぐに話しだした。
ヒ「大切な人と来たんだ、イブの夜。」
「へぇ・・・。」
「大切な人」、かぁ・・・。
恩人とか彼氏さんとかかな?
私以外の、大切な人
ネェ
ヒナモ、私ヲ捨テタノ?
ヒ「今でもその人のことが忘れられないの。」
ソノ後ハ、サッサト他ノ奴ニ切リ換エテ
私ノコト、今ノ今マデ忘レテタノ?
黒い感情が湧き上がり、グルグルと頭の中を埋め尽くす。
気がついたら、
「・・・」
ヒナの細くて可愛い首に、手を伸ばしていた。
でも、
ヒ「何で一方的に距離を置いて、避けたの?未だにわかんないよ。」
振り向いたヒナの顔を見た瞬間、手が止まった。
(・・・あれ?私、今何しようと・・・。ていうか、)
ヒ「教えてよ。慈ちゃん・・・。」
ヒナは泣いていた。
149人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (2023年2月11日 20時) (レス) @page33 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2022年5月21日 16時