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「パクさんちょっといい?」
屋上へ行こうと校舎の中を歩いていると、突然知らない女子3人に話しかけられた。
私が驚く間も無く3人は私の手を引いて近くの共同トイレへと引き込んだ。
私はこれから起こることを悟り内心溜息が漏れる。
ああ、またか…と思った頃には「あのさぁ」と低い声が聞こえてきた。
「パクさんって何のつもり?」
「……なんのつもり、って言われも」
「惚けないでもらえる?
グクくんと幼馴染だからって調子乗り過ぎでしょ」
調子乗ってると言われれば、そうかもしれない。
でも、そう言われても私には正直どうしたらいいかなんて分からなかった。
黙り込んでいるとトイレのドアを蹴られて、私の肩はビクッと震える。
その様子を見て彼女達は鼻で笑った。
「ジミン先輩とテヒョン先輩にもベタベタしちゃってさ、ほんと尻軽女ね。」
「そんなアンタには一回懲りてもらわないと」
くすくす、と笑う女子達の手にいつのまにかホースが握られていて私は目を見開く。
逃げようと背を向けた頃には冷たい水が降り掛かり、制服が肌に張り付いた。
髪の毛の先からは水がぽたぽたと滴り、口先が震える。
そんな私の様子を見て満足そうに笑った彼女達は「これからは気を付けなさいよ」とトイレから出て行こうとした。
私は下を向いて濡れたスカートの裾を握る。
この格好では授業にも出れないし、お昼も食べられないだろう。
屈辱的な想いが私を呑み込み涙が溢れてきたとき、
彼女らの笑い声が聞こえていたのがピタリと聞こえなくなった。
「ねえ、何してるの?」
直後、その場で聞こえてきたのは酷く低い声。
だけど聞き覚えがあるその声は私の心を軽くしてくれて、思わず顔を上げた。
濡れた前髪の隙間から見えたのは、出入り口で立ち止まる3人の前に立つグクの姿。
角度的に表情はよく見えないが怒っているのは確かだった。
「ぐ、グクくん!これはね違うの」
「何が違うの?Aに水掛けて笑ってた状況に何の言い訳ができんの。」
「っ…」
普段見ない怖いグクに女子3人は完全に怖気付いてる様に見える。
言い訳を試みるけど見事に圧で言いくるめられてしまった彼女らは「………ごめんなさい」と小さな声を漏らした。
「謝る相手が違うって言いたいところだけど、Aには近づいて欲しくないしもういいよ。」
「え!ありが…」
「あ、もちろん俺にも近付かないでね。
目障りだから。」
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咲綺(プロフ) - 続きが見たいです!! (2020年5月23日 22時) (レス) id: a2e0669daa (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか?めちゃ気になります! (2019年12月6日 18時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
ぐろす - けっこー経ちましたけど更新しないんですかー?楽しみにしてまーす! (2019年12月6日 17時) (レス) id: 63cd4095fc (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか? (2019年10月16日 0時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - とても面白いです!!ヤンデレグクちゃんたまりません。シスコンジミちゃんにも守ってもらって、優男テヒョンにも守ってもらえて主人公ちゃんが羨ましいです(笑)更新楽しみにお待ちしてます! (2019年8月15日 0時) (レス) id: 202f553fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飛鳥 | 作成日時:2019年6月12日 23時