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21時を回った頃に家のインターホンが鳴った。

オンマに鞄を学校に忘れたと言ったら案の定怒られて、取りに行けと言われたけど適当な理由を付けて行かなかった私は夕飯も食べずにずっと寝ていた。

下に降りればオンマはお風呂に入っていて、オッパとアッパはまだ帰ってなかった。
私はまだ帰ってない二人のどっちかだろうと思って「はぁーい」と寝ぼけた声を出しながらサンダルを履いて鍵を回す。
しかし玄関を開けて、立っていた人物を見たとき私は息が止まるかと思った。


「ぐ、グク…」


そこに居たのはオッパでもアッパでも無く、
自分と私の鞄を肩に掛けたジョングクだった。
かろうじて出した声は情けないほど小さくて掠れている。

グクは何故かまだ制服を着ていた。
どうやらまだ学校帰りみたいで、今の時間まで彼女さんと居たと思うと余計息が詰まった。


「鞄忘れたでしょ、教室置きっぱだった。」

「ご、ごめん…ありがとう。」

「あ」


おずおずと鞄を受け取る私の顔を見たグクが私に手を伸ばす。
ぎゅ、と目を瞑れば頰骨の辺りを撫でられて、グクはくすりと笑った。

「跡付いてる、うつ伏せで寝てたでしょ」

「うん…」

笑うグクの目尻のシワは彼には無かった。
私が最低な事に心の中でグクと彼を重ねているうちにグクは「おやすみ」と言って去っていった。

此方に背を向けるグクの背中が遠くて、
暗闇に手を伸ばしたけれど当然意味は無かった。




次の日。
家から出てグクの居ない光景を見るのが嫌で、
私はいつもより早めに家を出た。
グクは迎えに来ないとも言っていないけど、私だけが臆病でグクから逃げた。

いつもはギリギリに学校に着くけど、今日は余裕を持って登校ができた。
なんだか空気が違く感じて、心がどこか寂しい。
そこで私は昨日からずっとスマホを見ていなかった事に気付き、やっとスマホを開いた。

カトクからは通知が2件。
それは彼からで『ありがとう』と言うメッセージのあとにスタンプが続いていた。
グクがスタンプを使う派では無いのでなんだか新鮮に感じつつも、頰を緩ませていた時__

「だ、誰か!!」

学校に悲鳴が響いて、私は驚いて顔を上げる。
周りの生徒も騒がしくなる中、声は武道場の方から聞こえたようで人だかりができていた。

武道場はダンス部の部室。
嫌な予感がして私も人混みの間から覗けば、
誰かが何かの下敷きになっていて目を見開いた。

赤い血が見えて動悸が荒くなる。
顔を見ればそれは彼だった。

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咲綺(プロフ) - 続きが見たいです!! (2020年5月23日 22時) (レス) id: a2e0669daa (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか?めちゃ気になります! (2019年12月6日 18時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
ぐろす - けっこー経ちましたけど更新しないんですかー?楽しみにしてまーす! (2019年12月6日 17時) (レス) id: 63cd4095fc (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか? (2019年10月16日 0時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - とても面白いです!!ヤンデレグクちゃんたまりません。シスコンジミちゃんにも守ってもらって、優男テヒョンにも守ってもらえて主人公ちゃんが羨ましいです(笑)更新楽しみにお待ちしてます! (2019年8月15日 0時) (レス) id: 202f553fa0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛鳥 | 作成日時:2019年6月12日 23時

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