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｢そう言えば、高校はどうするんや？｣
｢ああ、それはね、途中編入って形で一番近くの…｣
｢それ、俺と同じ高校やん｣
｢ほんと！やった！最初から友達がいる〜！これは勝ち組だぞ｣
｢いや、何がやねん｣
と、謎の勝利をした所で陽も傾いてきていたため解散となった。
メッセージアプリで連絡先を交換して、それからそれぞれの家路につく。
家に帰ってから、スタンプだけのメッセージを送る。
直ぐに豚のスタンプだけが送り返された。
｢はは、キャラそのまんまかい｣
ただ、それだけなのに懐かしさが相まって嬉しくなる。
転校初日は、やはり、興味津々といったクラスメイト何人かに声をかけられる。
ありきたりな質問。それでも刺激不足な学生にとって、二度とあるかないかと分からない転校生という存在に嬉々としている。
そんな質問攻めにあいながら、一つ一つに丁寧に答えていく。
｢そう言えば錦さんって、この学校の有名人のこと知ってる？｣
｢有名人…？誰？｣
全くと言っていいほどそんな噂など知らない私は、ただ瞬きをするだけ。
そんな質問をしてきた女子生徒の友人が｢そりゃそうだよ｣と突っ込んでいる。
｢あのね、うちらと同じ学年なんだけどね、＿＿って男子生徒。背が高くて眼鏡をかけたイケメン男子！あの真っ赤な瞳がすごい特徴的なんだけど…｣
それ、彼の事じゃないか。
名前を聞いた瞬間にピンと来た。
女子生徒は言葉を続ける。
｢それで、文武両道、基本誰にでも優しいけれど、生徒会の人たちには厳しい面もあるらしいの。でも、飴と鞭の使い分けがうまいんだろうね。めちゃくちゃ慕われてるらしいよ。んで、どうやらその頭の良さはあの西の一番頭のいい大学受かるレベルらしい…｣
どこまでが本当で、どこまでが嘘なのか全くわからないその噂。
けれど、彼らしい。というのが私の感想で。
これは本人に突撃してしまってもいいだろうか。
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作者名：にこ† | 作成日時：2020年3月31日 10時
