小休止:お礼とあったかもしれない小話 ページ50
2度目まして。
切り良くお話が書けたので、次に移行します。
さて、しかしここで私の話をしても面白くないと思いまして、1つ短編を。あったかもしれないお話。
食害
｢行くぞ！｣
鬱先生の合図とともに急いで食堂をあとにし、離れた廊下で荒れた息を整えていた。
｢流石にこっちまで来おへんやろ…｣
｢ですね…｣
｢うーん、来てますねぇ！｣
｢ひっ…！？｣
ポンと肩を叩かれ驚きの声をあげる。ぎこちなく振り返るとそこには笑顔を浮かべるゾム。
｢ゾ、ゾムさん…奇遇っすね…へへ…｣
｢いやいや、何言うてるんや大先生！食堂で会ったやろ？｣
｢兄貴、ちゃいますやん…。もう僕達済んでるんで、ね？？｣
｢いや！大先生！お前ならまだ食えるはずや！！｣
｢ムリですぅ！？｣
グッと親指を立ててキラキラとした笑顔を向けるゾム。対し鬱先生の顔はどんどん青ざめていく。
正直、私もお腹いっぱいで今すぐにでもここから逃げ出したい。だが、肩は掴まれたままで振りほどけばバレてしまう。
｢ていうか、ゾムさん。シッマとエーミールはどうしたんですか｣
｢ああ、2人を見かけた言うたら、『連れてこい』って｣
｢それシッマやろ！！アイツゥ…！｣
ギリィと歯を噛み締め、握り拳を作っている。
これは顔合わせた瞬間に、恨みが形となってコネシマに降り注ぐだろう。
｢あ、あの…｣
｢どうしたんや、A？｣
こちらを見下ろしたゾムは、こてんと首を傾げる。
…一瞬あざといとかそんなことは、思ってない。断じて。
｢この後、用事があるので…早く戻りたいなぁ…と思い、まして｣
｢いや、グルッペンに確認したから、特に何も無いの知ってるで｣
｢ｱｯ､ﾊｲ。すみません、嘘です｣
逃げられなかった。
｢くっ…！スマン…！｣
｢も〜、二人とも！最初からそう言う方が身のためやで！｣
そう言うとゾムは肩に手を回し、私たちを再び食堂へと向かわせるのであった。その後は察して欲しい。
ただ、一つだけ言っておこう。
私は決してゲロインにはならなかったことを。
そろそろ展開早めないと、と思い却下された話でした。
こういう、わちゃわちゃとした日常が好きです。でも、シリアス＆バトルはもっと好きです。
…このネタ伝わる人いるんですかね…。古…。
前回に合わせ読んでくださった皆様、ありがとうございます。お気に入り登録もありがとうございます。何かありましたらコメントで教えていただけると嬉しいです。
ではまた次回、お会いしましょう。
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作者名：にこ† | 作成日時：2019年10月3日 14時
