結論 ページ33
｢なら、俺らのところで働くか？｣
｢え？｣
｢じゃあ、なんだ。外に出て働きにでも行くのか？知らない土地で？またこの間みたいなことがあるかもしれないぞ？｣
｢えっと…｣
何故この人は威圧的に喋るのだ。そこまで考えてはいなかったし、むしろいい方法がないか聞きたかっただけなのだが。
｢それに、まだこの地に慣れていないだろう。もう少し慣れてから外に出ても遅くないと俺は思うぞ｣
｢はぁ…｣
まあ、それも一理ある。しかし、しかしだ。
｢私に出来ることなんてあるんですか…？｣
｢色々あるぞ｣
｢いや、そんにないですよね、実際｣
｢…いやあるぞ｣
｢なんですか今の間…｣
｢気のせいだ｣
何故か下手にはぐらかされる。多分嘘だな。
｢では、例えば…？｣
｢ん？うむ…そうだな…。…はっ！外交パーティでちょっとした囮…、フリをしてくれたり…｣
この人今、『囮』って言いましたよね。
｢後は…そうだな…、事務系の仕事の補佐とか…あっ、良ければ戦闘員でもいいゾ！｣
｢いやそれは無理ですって｣
いけない。ついつっこんでしまった。
｢まあ、色々あるからな。明日からでも声をかけてみたらどうだ｣
｢でも、私の事警戒してる人いますよね…？｣
｢じゃあ、そうだな…街の見回りくらいならどうだ。お前も街のことを知ることが出来るし、基本そんなに悪いこと起きないと思うし、多分｣
｢すごい曖昧…｣
｢明日は誰の担当だったかな…、ちょっと確認して頼んでみるわ。それで、見回りを週…そうだな…3日くらい、やってそれで報酬を月の終わり頃に出そう。それでどうだ？｣
所々曖昧だが、私にも十分出来そうだ。
はい、と頷くと｢では、契約成立だ。帰ったら改めて手続きするゾ｣とグルッペンも笑う。
しかし何故だろうか、その笑顔に一瞬違和感を覚えた気がしたのは。
その後、ケーキを食べ終え軍部に戻ると、怒りをあらわにしたトントンが玄関で出迎えていた。
そのトントンを見たグルッペンは一気に血の気が引いた顔になり、全力で逃げようとしていたが直ぐにトントンに捕まっていた。
ちなみに同行していたわたしは｢無理やり付き合わされたんやろ、コイツ人を振り回すのは天才やから。すまんな｣と謝られた。
そして、グルッペンはトントンにより総統室に軟禁され、書類を書かされたとかなんとか…。
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作者名：にこ† | 作成日時：2019年10月3日 14時
