占い師おばあちゃん ページ39
｢まあ、いいわ。そんな無理に聞き出すようなことは、俺は、しないからな｣
と、『俺は』と主張を強くするシャオロン。
そして、私とコネシマの間に合いたスペースに座る。
お茶を飲んでいると、大きな荷物を背負ったおばあちゃん。
｢あらぁ、シャオロンさんやないの。コネシマさんも、見回りかしら？｣
そのおばあちゃんに声をかけられる。
｢おっ、クラリスばあちゃん。相変わらずでっかい荷物背負ってんなぁ｣
｢そりゃ、私の商売道具やからねぇ…。ところで…お隣のお嬢さんはアンタらの連れかい？｣
｢ん、せやで。Aつって今、身寄りがないから軍に客人として招いとるんや｣
シャオロンに肩をぽんと叩かれ、紹介される。
ぺこりと頭を下げると、｢可愛らしい子やねぇ｣との
ほほんとした笑顔を向けられる。
｢でもまあ、苦労しとるんやねぇ…。それに…｣
そう言うとおばあちゃんは近づいてきて私の頬をそっと擦る。
おばあちゃんの細い目と視線が合う。
｢？｣
｢何やら良くない気を感じるわ…身の回りの小さな変化とか、変わりないように思えても十分周囲には注意しといた方がええよ。下手したら今度は怪我するだけじゃすまないかもしれないよ｣
その言葉にドキリと心臓が跳ねる。
『今度は』？
以前、観光客に襲われた時のことを思い出す。
ほとんど薄くなったはずの首筋の傷跡が痛む。
｢ばあちゃん何を…｣
｢いや、私はこの子とは初めてやから何があったのかは知らんよ。ただ、常に付きまとうような良くない何かを感じただけや｣
ふるふると首を横に振る。そして再び私の方を見る。
｢でも、あの子らのところにいるならそこまで心配しなくてもええと思うよ。ただ、貴女も、Aちゃんも気をつけていた方が身のためやね。いつ、降りかかるかわからないのが不幸やから。ばあちゃんの感を信じなさいな。私の占いはよく当たるって評判なんやで。困ったらいつでも頼ってや、ね？｣
そう言ってにこりと微笑むおばあちゃん。占い師さんだったのか。
｢ありがとうございます｣
そうお礼を言うと、飴玉をくれ立ち去って行った。
大阪のおばちゃんかな？
｢なんやったんやろうなぁ…｣
｢まあ、確かにあの婆ちゃんの言うことやけに当たるんだよなぁ…｣
｢まあ、とりあえず見回りの続きすっか｣
｢せやな｣
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作者名：にこ† | 作成日時：2019年10月3日 14時
