ちょっとした危機 ページ14
「ふぅ〜、食った食ったー」
廊下を歩きながら、お腹をかるくさする平腹。
「食い過ぎだ」
田噛がツンとして言う。
「そうか?」
首をかしげて、問いかける。
「あ!」
「! どうしたの…?」
突然、大声をあげて私の方を見る。
「なあなあ!また、ゲームするか?!」
キラキラとした表情をする平腹。
少しだけその笑顔が眩しく思う。
なんで、こんな笑顔できるんだろう。平腹がちょっとアホの子だから…??
「あー…、っと…。ごめん、今日はもう疲れたから、また今度で…」
さすがに、あれ以上やったら私死んじゃうわ。
「そうかー…。あ!じゃあたが」
「だるい」
ズバッと間髪入れずに断る。
断り方が、だるいって…。田噛らしい。
「えー!!じゃあ、また今度なー」
「絶対やらねえからな」
ちなみに、またこの二人と廊下を歩いているのかというと、簡単に行ってしまえば、他の人たちがやることがあるから先に食堂を出たからだ。
と、自分の部屋のそばまで来る。
「あ、じゃあ。えっと、おやすみなさい」
「おう!じゃあな!」
「じゃあな」
部屋の中に入ると、扉にもたれかかる。
ふぅ、とため息をつく。
やっぱり、平腹とは少し話しやすくなったけど他の人たちとの会話が続かない。
「んー、やっぱ人に気ィ使うのクセなのかなー」
ゲームのキャラだから、そこまでではないが元々人見知りなのもあり気を使ってしまうようだ。
しかも、人からの誘いを断るなんて苦手だからよく、断れたなあ私。
窓のそばまで歩き、空を見る。
星がキラキラと、輝いて見える。
「わあ、私のとこよりもすごい星見える…ん?」
と、空を機関車が走っているのが見える。
「…何あれ!すごい…」
ここは、都会の方らしいが星も見えれば、まさか空を走っている機関車が見れるなんて…。
やっぱり、ここは現世じゃないんだなあ。
「さて、お風呂にでも入って…」
入って…あれ?
気づいたけど、私、制服以外着るものなくない?
まずいよね。どうしよう。キリカさんとあやこさんも、たしかさっき帰ったはずだし。どうしよう!?
コンコンとノックする音が聞こえる。
「Aいる?」
この声、佐疫だ。
「あ!佐疫…さん!」
扉に駆け寄り扉を開ける。
ニコニコと優しい表情をしている佐疫が立っていた。
「どうしました?」
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ふわふわあやめ(プロフ) - ページ13のあやこさんの足元とありますが、それはキリカさんのでは?半人半蛇なのはキリカさんなので。 (2016年2月22日 21時) (レス) id: 609f88a666 (このIDを非表示/違反報告)
ラル・ミルチ@低燃費な野兎(プロフ) - ちょっと空間がなくて読みにくいかな……と。文字数とかいろいろあるとは思いますが、文字を詰め込みすぎていて逆に読みにくいかもしれません。 (2015年7月7日 19時) (レス) id: 21229c9dd3 (このIDを非表示/違反報告)
咲 - すごく読みやすくて面白いです!更新楽しみにしてます!! (2015年6月10日 22時) (レス) id: 14ece21904 (このIDを非表示/違反報告)
幽(プロフ) - 続きが気になる…更新楽しみにしています!頑張って下さい! (2015年5月24日 8時) (レス) id: af02e98644 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にこ† | 作成日時:2015年5月23日 22時