【d!】生死の境で嗤ったのは (ページ4)

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35話ページ4

Aside

信用される様な事は生憎一つもしていないのだが…
まあ嫌われてないに越した事は無いか

そう考えて無理矢理、自分を納得させた
別に私に損が無いのなら何でも良い

gr「聞きたい事はこれで全部か？」

問い掛けてくる彼に対して肯定の意を込めて頷く
他の事は追々聞けば良いだろう

gr「それじゃあ、行くとするか」

椅子から腰を上げて私の手を引っ張る彼に問う
何処へ行くのか、と

gr「お前の部屋が準備出来たらしいからな。場所が分からないだろうし俺が案内しよう」

私専用に部屋なんて貰えるのか
つくづく親切と言うか、変わった人だ

彼に手を引かれるまま廊下を歩いて行く
…そう言えば、この建物内には人が少ないな

他の基地は此処より狭いがもっと沢山の人間が居た
しかし此処にはあまり人が居ない様に見える

『…ねえ、此処は何人ぐらいが居るの？』

前を歩く彼の袖を引っ張ってそう問い掛けると
何故だか彼は嬉しそうな表情を浮かべた

gr「そうだな…リーダーを除けば十人程しか居ない。何しろ軍の本部だからな、実力の確かな者で無くては危険が高まる」

その横顔は指導者、と言う様な威厳に満ちていた
そんな場所に私が入って良かったのだろうか

そう思ったが口に出す事は無かった
明確な理由はよく分からないが強いて言えば

今この瞬間だけ、自分が化け物だと言う事実を
忘れていたいと思ったからかも知れない