血濡れの京人形は武道の姉！！ 参！

愛故の憎悪 ページ34

「三ツ谷くん！！」
三「・・・」

三ツ谷くんが戻ってきた。足取りがさっきよりもしっかりしてる。

三「マイキー・・・ちょっと来い。」

二人は病院の中庭に行ってしまった。俺もあとを追いかける。

三「何が起きた？」

マイキー君は何も言わない。まるで、自分の中にあるものを丸々捨てたようだ。

三「お前がいて、なんでこうなる？」

ゾクっと怖気がした。いつもの三ツ谷くんじゃない。
マイキー君はそれでも何も反応を示さない。

三「おい・・・マイキー・・・、」

握りしめたこぶしが震えている。額には青筋が浮かんでいた。
「怒り」では表しきれないほどの「憎悪」。その矛先がマイキー君に向かっている。

三「何やってんだよ？！テメェはよぉぉ！」

俺は三ツ谷くんに土下座した。

「俺のせいです！！
俺にチカラが無かったから・・・
何でも姉ちゃんに頼りきって、そのせいで姉ちゃんに無理させてしまったんです！！
姉ちゃんの弟なのに、何もできなかったんです！！
マイキー君のせいじゃない！！」

下げてた頭を上げた。三ツ谷くんは、こっちを見ない。

「だから三ツ谷くん！責めるなら俺なんです！！
マイキー君を殴るのは筋違いッスよ！！」

ｺﾞｯ

殴られたのは、マイキー君だった。

三「みんなを守る為に東卍創ったんじゃねぇのかよ？！！」
「やめてくださいよ！！三ツ谷くん！！」

止めようとするも、三ツ谷くんとの力の差はハッキリしていた。

三「それとも何だ？！京のことはどうでもいいなんて思ってんのか？！！」
「？！」

そんなわけない。姉ちゃんと再会したときの反応、血のハロウィンでも見捨てず、聖夜決戦で東卍に戻ってきた姉ちゃんを受け入れて。三ツ谷くんも、それを知っているのに・・・！

三「２年前も、京を殺しかけて東卍から引き離させたじゃねぇかよっ！！」
「何言ってんスか、三ツ谷くん？！！」

三「血のハロウィンでは、腹に穴を開けさせた！！」

マイキー君の血が飛び散る。三ツ谷くんのこぶしは赤く染まっていた。

三「聖夜決戦でも瀕死に追いやらせた！！」
「マイキー君！！！」

マイキー君はもう意識がない。

三「どけっ！」

三ツ谷くんにぶん殴られて、ふっ飛ばされた。

三「挙句の果てには、あんな死んだも同然の姿にさせて！！」

三ツ谷くんはマイキー君を離し、渾身の一撃を叩き込む。
バタリと倒れるマイキー君。

三「あんな・・・っ、」

三ツ谷くんのすすり泣く声だけが中庭に響いた。

指人形→←死よりも残酷な結果

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す