血濡れの京人形は武道の姉！！ 参！

鉄バットで崩れ去る ページ29

「武道ーー。アンタこれから抗争だってのに、何浮かない顔してんの？血が飛び交う熱い戦いになるってのに！」
武「それで興奮するのは姉ちゃんみたいな物好きぐらいだと思うよ。」
「あん？さすがの姉ちゃんでもこれにはカッチーン、だぞ♡」
エ「はいはい、京ネェ落ち着く！タケミっち、何か飲む？」
武「あ、うん。」

エマ、浮かない顔した武道を気遣ってくれたんだろーな。ホンット良くできた妹だよ。ケン坊、絶対に幸せにしなさいよ。

エ「ねね！京ネェ、三ツ谷とはどう？」

瞬間、病室でのことがフラッシュバック。

「き、キス、しました・・・。」
エ「・・・えぇ！！いつの間に付き合ったの？！！」
「違う違う！！まだ付き合ってない！！」
エ「「まだ」？」

ホント耳聡い子だ。

「うう・・・ああーーー・・・、
抗争終わらせてから、返事返す気でいる。告った後に抗争で即死亡とか嫌じゃん。」
エ「縁起でもない！！」
「冗談冗談。
まぁ、まだ死ねんぞ！！的な？頑張れるっていうか、」

それほどまでに、私の中での隆はデカい存在なんだよな。

エマから奢られたジュースを受け取る。

「あんがとね、エマ。今度、ケン坊のデートのコーディネートしたげる。」
エ「ははっ。ありがと、京ネェ。でもそれ、三ツ谷にさせる気でしょ。」

バレたか

「ほれ武道。ジュ、」
武「エマちゃんって、未来にいたっけ？」

武道の呟きに、ドクリと心臓が嫌な音をたてる。

そうだ。武道からの話しでは、東卍は今回の抗争で天竺と合併した。
どうして？万次郎やケン坊がいるんだったら、数の差があっても勝てたはずだ。

・・・二人が、抗争に出られない状況になったとしたら？

あの二人を力で片付けるのは無理だ。
稀咲ならどうする？稀咲はいつも、裏で引っ掻き回して、人の心を弄んで、動かして、思いの儘にしてきた。

もし二人が、精神的にダメージを負ったのだとしたら、
武道のさっきの呟きを絡めると、

狙うとしたら、今日

ターゲットは、

ﾌﾞｵﾝ

武「え？！」
エ「ん？」

真正面からやってくる、猛スピードのバイク
ケツに乗ってる奴の手には鉄バット

(ヤバい！！)

ターゲットはエマだ！！

稀「うおお！！」
武「稀咲？！！」

エマを自分の懐に収め、後頭部に手を回した。そのまま稀咲を背にして庇う。

そんな時に考えたのは案外身近に起きたことで、

(隆も、こんな気持ちだったのかな。)

最愛の人のことだった。

ｯｶｧｧｧｧﾝ!!

変えられた出来事 変えられない未来→←それぞれの役割

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す