血濡れの京人形は武道の姉！！ 参！

愛して ページ20

「じゃ、ちゃんと飯食うんだぞ。」

そう言って、部屋から去ろうとすると、

ｷﾞｭｯ

手を引っ張られた。
この場で手を引っ張ることができる奴は一人しかいない。

貴「い、くな・・・いか、ないで、たかし。」

縋るように、震える声を発する京。

(ていうか、コイツ今喋って、)

貴「あの時の返事、返すから。だから、いかないで・・・。
お願いだから、生きてよ・・・。」

辛いはずだ。
周りの人間がみんな死んでいって、京自身は「アイツ」の呪縛で死ぬことができない。

ここまで言うっていうことは、期待しても良いんだろう。俺は少女漫画にあるような青春している鈍感少年ではない。
でも、タイミングが悪すぎた。

もっと、早く言ってくれたら
もっと、早く気づいてくれたら
俺は迷うことなくこの手を引いてどこまでも京と共に逃げたことだろう。

でも、手遅れだ。
みんな死んだのに、俺だけが生きるなんて許されるはずがないから。
京が苦しんでいるのをわかって何もしなかったから。
マイキーに死刑宣告され、今更「返事」を聞かせられても、死ぬのが怖くなるだけだから。

俺はそっとその手を引き剥がし、代わりに黒地に白十字のピアスを転がした。
俺の左耳で光るものと同じもの。

「愛してるよ、京。」

ーーーーーーーーーーーーーー

隆までもがいってしまった。もう、私には何も残されていない。

ｶﾞﾁｬ

？「ただいま、京。」

(あぁ・・・そうだった・・・。)

私には「アイツ」がいた。

ぎゅっと、ソイツの腰に腕を回し、グリグリと顔を埋めこむ。

？「どうしたの、京？今日はやけに素直だねーー。」
「ハハッ・・・アハハッ
ねぇ、ヤろーよ。いっぱい私を愛してよ。」

イザナ

黒「もちろん良いよ。
やっと素直になってくれたね、俺の京。」

違う

こいつじゃない

私ニハ、モウコイツシカ、イナイ

思イ込メバ良インダ

「好きだよ、イザナ・・・。
私を愛して。」

天からの恵みに感謝→←最悪の時代

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す