苦しい思いをする約束 それは呪い ページ11
貴「だからさ、余計に苦しいんだ。」
親戚の奴らは母さんの悪口言うし、
爺ちゃんと婆ちゃんはボケちまってるし、
武道はなんにもわかっちゃいねぇ。
貴「誰も私の気持ちなんて、わかってくれやしねぇ。
そんな状況で泣いてみろ。一発で武道に心配かけさせちまうじゃねぇか。」
ゆっくりと振り返った京は、
世界一優しい笑顔と名付けるに相応しい笑顔で、
全然京らしくねぇ笑い方をしていた。
貴「「お姉ちゃん」はな、泣いたりなんてしねぇんだよ。」
ﾊﾟｼｨﾝｯｯ
乾いた音が響いた。
その場にいる全員が目を見開く。
シンイチローが京の頬を張っ叩いたのだ。
京は叩かれた頬を抑えながら、訳がわからないという顔をしている。
そして、徐々に怒りに染まっていった。
貴「なっにすんだよ、真一郎！！」
真「自惚れんなっ！！！」
京なんかよりも圧倒的にデケェ声を出すシンイチロー。
迫力に気圧されたのか、京は息を飲んで黙りこくった。
真「俺は佐野家の兄貴だ！けどな、喧嘩したら殴られるし蹴られるしでメチャクチャ泣く！！もう確実に泣く！！それなのに「『お姉ちゃん』は泣いたりなんてしない」？！俺らのこと馬鹿にしてんのか？！！巫山戯んな！！」
貴「ち、ちがっ！そういう訳じゃ、」
真「お前の言ったことはそういうことなんだよ。」
有無を言わせない口調に京が俯く。
貴「でも、でもっ！母さんと約束したんだ！「お姉ちゃん」だから、自分の大切な奴は自分で守るって、カッケェ姉貴になるって！！」
透明な液体がポタポタと京の足元に零れ落ちる。
そんな京をシンイチローは抱き寄せた。壊れやすい物を扱うように背中を撫でる。
真「別に姉ちゃんを辞めろ、と言ってるわけじゃねぇ。それでも、お前は俺より年下だ。俺の前ではお前は「妹」なんだよ。これ、決定事項。」
貴「・・・ズリぃよ。年齢で決まっちまうんだったら、真一郎の前じゃぁ「妹」になるしか選択肢ねぇじゃん。」
真「そういうこと！だから、泣いていいんだぞ。京。」
京はシンイチローの肩に顔を埋めて、グスグスと泣いた。
やっぱり、まだ泣くのを躊躇っている。
「約束」って言ってたけど、そんなんで苦しい思いをするんだったら、「呪い」じゃねぇか・・・。
誰が、あいつにかけられた呪いを解いてくれるんだろうな。
底までクリームがなかったらパフェじゃない→←暗い過去と確かなこと
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作者 - コメントありがとうございます。更新、頑張ります。 (2022年7月20日 0時) (
レス) @page44 id: db786199f7 (このIDを非表示/違反報告)
この作品にハマったものですＺＥ☆ - マジで！マジで！マジ(( 面白かったです！更新待ってまーす♡ (2022年7月19日 17時) (レス) @page43 id: 2d1d3bdc6c (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2022年7月13日 20時
