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漆拾弐ノ破壊【Eyes of sin】 ページ24

_No side_

A「私の目は異能力や、異能に近い力を持つものに反応するのです。全く迷惑ですが。」


Aは上品に紅茶を啜る。フョードルはまた目を見開かせて動きを止めた。


フョードル「……成程。差詰め罪の目(Eyes of sin)と云ったところですか。」


A「異能力が罪ですか……確かに、そうですね。」


フョードル「!…否定したりしないのですか?」


するとAはキョトンとした顔で


A「同じ思考の者を否定する理由がありますか?」


と云った。フョードルは又もや目を見開いて笑った。


フョードル「ふふっ貴方は面白い方ですね。またお会いしても宜しいですか?僕は暫くしたら露西亜に戻らなければ行けませんが。」


A「勿論です。私も同じ思想の方など会ったことはなかったですから。露西亜にお戻りになる前に、何度お会い出来ますかね」


フョードル「貴方の異能はどんなものなのですか?」


A「右手で触れたものを破壊、左手で触れたものを再生させる異能力です。」


すると又フョードルは笑った。


フョードル「僕と似ていますね」ニコッ


だがその内容は教えてはくれなかった。何度聞いても「秘密です」と不敵に微笑むだけ。唯わかることは、彼の異能がAと似ていることだけ。

逆に異能以外の事は多く教えてくれた。フョードルと話していると、早く時間が過ぎ去ったようだ。もう当たりは真っ暗。

Aは席から立ち上がりフョードルに礼を云った。


A「そろそろお暇させていただきますね。長時間楽しい話を有難う御座います」


フョードル「いえいえ。僕も貴方と話していて楽しかったです。また何れ」ニコッ


Aは机に代金を置き、其の儘帰って行った。
___

疲れ切って部屋の扉を開けると、長椅子(ソファ)に太宰が足を組んで座っていた。


太宰「………」


Aは内心驚いていたが、それを顔に出さず太宰に問うた。


A「何か御用でした?」


太宰「………」


太宰は無言で近付いてくる。


太宰「………」


Aの目の前で止まる。


太宰「あの蛞蝓より(うざ)い餓鬼は君くらいだよ。今迄もこれからも」




グサッ



太宰がAの腹部に何かを突き刺すと、大量の赤い血が流れ落ちた。

Aは悲鳴をあげるまでもなく、その場に倒れ込む。だが、身動きが取れないようだった。

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作者名:匿名F | 作成日時:2022年3月6日 20時

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