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陸拾玖ノ再生【手紙 其ノ弐】 ページ21
君と初めて会った時、名前を初めてつけた。孤児院の皆、私に名前や渾名を付けられるのを嫌がっていたからね。
君に名を渡した時、顔が緩んでいたね。だから嬉しかったんだ。私と話していてそんな顔をしてくれる人なんて居なかったから。
感謝したかった。でも同時に謝りたかった。私は死んだ。だから……その名は遣わなくてもいいよ。私が生きている間だけでも使ってくれて、有難う。嬉しかった。
君の名前はなんだったんだい?是非私の墓を作って、その前で教えて欲しい。話したいな、色々。
墓じゃなくてもいい、簡易的なものでもなんでもいいから…孤児な私の最期の願いを聞いてくれ……。
私を、忘れないでくれ。
そして………
太宰の思い通りにならないでくれ。
君は私の
希望だよ。
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作者名:匿名F | 作成日時:2022年3月6日 20時