陸拾壱ノ再生【劣等性】 ページ13
_A side_
七篠「私からも幾つか質問していいかい?君には答えられる質問だ。…君にだけ、と云っても過言ではないくらいの…ね。」
七篠名無は真面目な顔でそう聞いた。
七篠「君、異能力者?」
A「……何故?」
七篠「若しそうなら……君は普通の異能力者では無いだろう?なら、"どの罪"の異能力だ?【憤怒】【嫉妬】【傲慢】【強欲】【怠惰】【暴食】【色欲】……最後三つ…いや、六つはないだろうね。君は、【憤怒】かい?」
的確だ。彼は
知られたくなかった訳では無い。彼は此処から出ることは滅多にないし、私以外此処を知らない。知っていたとて彼は拷問に慣れているために情報は吐かないと信じている。
それ故か、私は彼の言葉に頷いた。
七篠「やっぱりか〜。主に太宰にのみ発動する異能力…【憤懣起因系劣等感情性異能力】だっけ?
嫉妬だと【
傲慢は【
強欲は【
怠惰は【
暴食は【
色欲は【
ちなみに君は、その異能力を自由に扱いたくはないかい?」
……最後の言葉に、私は耳を疑った。
私は常識的なことは熟知している方と思う。だが自分の事は大抵が後回しで、そんなことは知らなかった。
世間的に云うと私は頭の良い方だと聞かされた。だが彼はその上を行く。その代わり彼には常識がない。この部屋から出ることが滅多に無いらしい。
柄にもなく目を輝かせて彼を見た。すると彼は面白そうに笑い私を笑顔で見つめた。
七篠「フフフッ…。知りたいご様子だね。簡単な事だよ。【起因系劣等感情性異能力】と云うのはね、文字通り【何が起こった時にしか発動できない・感情により作用される一般より劣った異能力】と云う意味なんだよ。あ、ずっと怒ってろとは云わないよ?フフフッ…。君の場合はね_____」
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作者名:匿名F | 作成日時:2022年3月6日 20時