肆拾玖ノ再生【過去の始まり】 ページ1
_No side_
─これはまだ、太宰がポートマフィアに居た頃の話──
太宰はボスである森に呼ばれ、うんざりとした顔をしていた。それは如何やら実妹であるAも同じで、丁度一緒に向かっていた。それも、太宰の不機嫌な理由の一つなのだ。
太宰はAを大層嫌っている。理由はあの双子のみぞ知る事であるが、
その日も、二人は無言で
Aも、太宰に嫌われていることを理解しているからだ。
嫌われている理由は幾つかあるが、一つはAが
太宰「……なんでまだ生きるてるの?早く死んでよ邪魔だから。君に生きる価値があると思ってるの?」
A「……申し訳ありません」
太宰「謝罪じゃなくて質問してるの。そんなことも分からないなんてさぁ……人間じゃないの?仮にも僕の妹とは思えない。いや、妹じゃないね。同名異人なだけ。こんな奴と一括りにされるなんて…後で森さんに抗議しなきゃ」
A「…………」
太宰は嫌味を込めた言い方でAに云った。だがAは謝るだけ。本当に自分に生きる意味がないと知っているから、知ってしまっているからだ。
森「太宰君相変わらずAくんと呼び出すと機嫌が悪いね」
太宰「知ってるならこんな奴と呼び出さないでよ。此奴の息も吸いたくない。」
森「酷い云われようだね、Aくん」
A「……事実ですので」
Aは
太宰「で、要件は?」
森「嗚呼忘れてたよ。今回は君達にある組織の壊滅を頼みたいんだ。太宰君だけでも大丈夫だろうけど、一応の保険でAくんもね」ニコッ
太宰「はぁ?此奴一応僕の部下なんだけど。なんで一応の保険で此奴連れていかなきゃ行けないの?普通逆でしょ?」
森「だ、そうだが……如何だい?Aくん」
二人はAを見た。未だ俯き黙っているAはその視線に気付いたのか静かにその口を開いた。
A「…私一人で任務を遂行します。喩えこの身が朽ちようと必ず遂行し、御二人の役に立ちます。」
膝を折って二人にそう云うと、太宰は呆れたように声を出した。
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作者名:匿名F | 作成日時:2022年3月6日 20時