貴方はどの執事と恋をする？~4~

▽ ページ39

.









５･６時間目、教室に現れたのは。









｢はじめましてー！片岡直人でーす！｣









お洒落、という言葉がお似合いな


短足…背が小さい…顔が童顔！な男の人。









直人 ｢執事のお前らは久しぶりだな〜！｣


｢｢｢｢お久しぶりです!!!｣｣｣｣








片岡さんの声に合わせ 教室内にこだまする


暑苦しい声の塊。







それと同時に お嬢さまも

さりげなーく、嫌な顔をする。








ていうか、久しぶりってどういう意味だろ…？









直人 ｢えーっと、去年同様！

今日から舞踏会のダンスの指導することになりました！

俺ね、執事育成学校の教官でもあるの！

だから執事たちとは卒業以来だな！｣








はははっ！と 幼い顔をクシャっとさせて

笑う片岡…先生！！？








貴｢先生なんですか！？｣

直人 ｢そーだよー？｣







見えないでしょ〜？知ってる〜！

なんて阿呆らしい自問自答的な独り言を繰り返す片岡先生。







去年同様…

舞踏会のダンス…

執事の教官…








初めて聞くワードばかりで

私の頭は早くも時限爆弾化。






カウントダウンが始まりそう。








直人 ｢えー、この時期になると、学園伝統の舞踏会に向けて いろいろと準備が進められていきまーす。

そんな中、舞踏会の主役でもあるお嬢さまが、舞踏会のメインでもあるダンスができなくてどーする！

……ということで今からペア組みまーす｣








いや、まて！


適当すぎるだろ！








そんなツッコミすらする暇もなく


片岡先生に組ませられたのは。






もちろん、私の執事でもある 隼。









貴｢隼と踊るとか…絶対怪我する｣

隼｢今日だけっすから、我慢してください｣

貴｢ほんと!?｣

隼｢…いや、その反応傷つきます｣








ショボンと落ち込む隼から目をそらし



周りを見渡して 目に付いたのは、やっぱり臣で。









臣は お嬢さまの鷲尾さんとペアを組んでいる。









…いいなぁ、私も臣と踊ってみたい。









そんな願望なんて叶うはずもなく。




片岡先生に踊れと言われ

音楽室の真ん中で体を揺らし始めた 鷲尾登坂ペア。









隼｢やっぱイケメンは 何をやっても絵になりますよね〜｣

貴｢…うん｣

隼｢いや、そこは『隼もイケメンだよ ♡』って言うとこっすよ｣







隼の茶番が 右から左へとすり抜けていく度。







視界に映り込むのは、絵になる二人の姿。








.

▽→←▽

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す