貴方はどの執事と恋をする？~4~

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龍｢じゃあ次俺でー｣

貴｢え｣









私の意見なんか聞こうともしない数原さんが、肩をガっと掴む。





…何されるんだ これは。









龍｢…A｣

貴｢はっ、はい…っ？｣









私の名前を呼びながら。




自由だった手が 拘束され。









背にあった壁に押し付けられる。









貴｢か、数原さん…っ？｣









逃がさない、とでも言いたげな真っ直ぐな瞳に囚われ。









その手が、私の頬を這うように触れれば。









龍｢キス、してもいい？｣

貴｢へ…｣









ニヤリと口元を緩ませ。

その指先が 私の唇に触れる。









背中にゾクゾクッと感じる緊張。






体の神経全部が その唇に集中して…。









貴｢キスは ダメ…っ｣









溶けそうな唇。



微睡んだ瞳。









その目をそらして 仰け反れば。









龍｢こっち見ろよ…｣

貴｢……っ｣









顎に添えられた手が 私の顔を無理やり上げる。









再び絡む 熱い視線。









どんどん近づいてくる その瞳に。唇に。









貴｢か、数原さん…っ｣

龍｢A…｣

貴｢だ、ダメだって…っ｣









今までにないくらい。



バクバクと音をたてる心臓。









どうしよう…本気でキスする気…？









抵抗しなきゃ…。






そう思ってても もう手遅れで。









あと数ミリで 触れてしまいそうな距離。









長いまつげに 胸がドキッてして。









ぎゅっと目を瞑った。









ﾞ執事は お嬢さまに恋をしてはいけないﾞ






ﾞキスは 以ての外ﾞ









貴｢……っ、数原さんっ!!｣









ふと 頭の中に浮かんだ文字に。




やっと目が覚めた私は。









龍｢……っ｣









壁に押し付けられていた手を 思いっきり動かして。


自由になった手で 数原さんを突き飛ばした。









龍｢A…｣









少し離れたところから呼ばれる自分の名前。









さっきまでは耳元で囁かれてたから。






その度に吐息がかかって

ドキドキしっぱなしだったけど。









貴｢だ、ダメです…｣









狼のように鋭い瞳に そう告げれば。









龍｢…ふはっ｣

貴｢え…？｣

龍｢なに本気になってんの？｣









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