第8話 ページ8
「… 海斗？」
説明会に参加してから数日経ったある日、駅のホームでスマホを片手に電車を待っている 海斗は背後から声を掛けられた。声のした方向に顔を向けると声の主は 京ノ介だとわかった。
「あれ、 京ノ介さん。偶然ですね」
と、目を丸くしながら返した目の前の人物が 海斗だと確信した 京ノ介は微笑みながら歩み寄って来た。
「偶然だね、今日はもう帰るの？」
「このあとバイトです。 京ノ介さんはお帰りですか？」
「うん、僕はそのまま帰って課題かな」
まるでテンプレートのような会話をしているように感じた 海斗とは対照的に 京ノ介は嬉しそうな表情である。人が良いんだろうな、とふと思いながら 海斗は話を繋げた。
「五限が無い日ってなんか嬉しいですよね」
「そうだねぇ、五限まであると疲れちゃうからね」
その時、ちょうど駅のアナウンスがホームに響いた。その間だけ会話が止まる。 海斗は電車の案内が表示されている電光掲示板に目をやってから、再び 京ノ介に目線を戻す。すると、 海斗は 京ノ介が自分を見つめていることに気がついた。
単に目が合うだけなら不自然では無いが、 海斗より背の高い相手の瞳に吸い込まれるような気がしたのだ。
しかしその視線はすぐに逸らされたかと思うと柔和なものに戻り、 京ノ介は再び口を開いた。
「どこまで乗るの？」
「あー、えっと、次で降りちゃいます」
再びの当たり障りの無い会話に少し 海斗の反応が遅れた。
「そっか」
京ノ介が頷くや否や、そういえばと 海斗に向き直った。
「来週の月曜日の夕方、空いてたりする？」
「空いてますけど…」
要件を言われる前に予定を聞かれることは多いが、相手が誰であれ少し戸惑うものである。 海斗の回答に 京ノ介は表情をより明るくさせた。
「もし良かったら教室の掃除を手伝ってほしいなって思って」
「掃除？」
「今年度から教室を貸してもらえることになったんだ。そこに望遠鏡とか観測装置とかを置きたいんだけれど、かなり散らかってて…」
来週の月曜日の夕方ならバイトやサッカーサークルの活動もない。授業を終えてそのまま帰るよりは少し暇つぶしができそうだ。
それに 恵那なら、月曜日は五限まで授業がある。ここで断って別の日に 恵那と 京ノ介が一緒に片付けることになったら、とつい考えてしまった。
「俺でよければ」
その答えに 京ノ介は嬉しそうに再び目を細めた。
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タシャ(プロフ) - なつめみくさん» “かいと”です。何となくで設定したんですが、すごい偶然ですね！ (2月15日 12時) (
レス) id: 6d2c528b25 (このIDを非表示/違反報告)
なつめみく - まって名前変換の俺ってやつ元カレの名前と漢字同じだ！wまぁかいとかうみとどう読むかで変わるけど、、 (10月5日 19時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
タシャ(プロフ) - ゆいさん» すごい偶然ですね笑 閲覧ありがとうございます！ (8月7日 22時) (レス) id: 6d2c528b25 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 名前設定した子が丁度サッカー部と吹奏楽部だったから一人で笑っちゃいました( ´∀｀ ) (8月5日 15時) (レス) @page7 id: c363f38072 (このIDを非表示/違反報告)
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