第5話 ページ5
「もちろん、星に関する知識がないなって人でも大歓迎ですよ!」
司会者がそう言うと、 恵那が 海斗の方に体を傾けて耳打ちした。
「アリかも、楽しそう」
「だね」
海斗も横で頷く。説明会が終わると、席から次々に人が立ち上がっていく。その中で質問をする人もいれば、退室する人もいた。
「 京ノ介さん、今日来てないのかな?」
そう言って 恵那が教室内を見回す。確かに、見覚えのある人物はここにはいない。同じように 海斗も辺りを見回す。
「そんなことあるか? 創設者なんじゃなかったっけ?」
「今日はたまたま忙しいとかあるかもしれな」
「本当に申し訳ないっ!!」
扉の音と共に聞こえた謝罪の声が 恵那の言葉を遮った。 海斗と 恵那が声の方に目をやると、床に額をぴったりと付けて土下座をしている一人の男性が。
「ちょ、ちょっと…頭上げてくださいよ、怒ってませんって」
土下座をしている男性にさっきの司会者が声を掛けた。男性は司会者と、サークルの団員らに向けて顔だけ上げると再び口を開く。
「アラーム五個くらいかけたんですが寝坊しました!!」
上げられた顔の、すっきりとした目元には見覚えがあった。 海斗は彼の顔を見つめる。
「ねぇ、あの人…」
恵那も同じことに気がついたようで、 海斗の肩に手を置き顔を見合わせる。二人の前で司会者以外の団員たちもフォローに加わっていた。
「大丈夫ですよ、そんなこともありますって」
「そうですよ、まだ午後の部があることですし大丈夫ですよ!」
「本当に申し訳ない…あっ、お騒がせしてすみません。来てくれてありがとうございます」
フォローをした団員たちに再び謝り、 海斗と 恵那の方に近づき礼を述べるとその男性は目を見開いた。
「あれ、 海斗…? 恵那ちゃん!?」
「そうです! お久しぶりです!」
恵那が相手の正体を確信して、嬉しそうに会釈をする。男性は驚いたように瞬きをすると笑みを浮かべた。
「久しぶり…! 覚えてるかな? 京ノ介です」
「勿論ですよ! ねっ?」
勿論、とでも言うように 恵那が頷くと 海斗に目をやる。 海斗も頷き続いて頭を下げた。
「お久しぶりです、 京ノ介さん」
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タシャ(プロフ) - なつめみくさん» “かいと”です。何となくで設定したんですが、すごい偶然ですね! (2月15日 12時) (レス) id: 6d2c528b25 (このIDを非表示/違反報告)
なつめみく - まって名前変換の俺ってやつ元カレの名前と漢字同じだ!wまぁかいとかうみとどう読むかで変わるけど、、 (10月5日 19時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
タシャ(プロフ) - ゆいさん» すごい偶然ですね笑 閲覧ありがとうございます! (8月7日 22時) (レス) id: 6d2c528b25 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 名前設定した子が丁度サッカー部と吹奏楽部だったから一人で笑っちゃいました( ´∀` ) (8月5日 15時) (レス) @page7 id: c363f38072 (このIDを非表示/違反報告)
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