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第3話 ページ3

普段、はっきりとした物言いで冷たいと誤解されやすい 海斗だが、実は寂しがり屋な彼は幼なじみの 恵那にはべったりだった。気がついたときには彼女に心を惹かれていて、どうにかして思いを伝えようとしている。

 しかし、そう簡単にはいかなかった。 恵那には思いを寄せている人がいることは 海斗にはわかっている。
 それは 海斗でなく 京ノ介だった。 恵那とは高校の保健委員会で知り合ったそうだが、様々な仕事をこなしていく上で好きになったらしい。思いのすれ違いに気がついたのは、よく 京ノ介について 恵那から相談を受けていたからだ。

 二歳年上だったため、 京ノ介はすぐに卒業してしまい、 恵那がとても寂しそうにしていたのを今でも覚えている。


「余計なことを思い出したな」


 教室に向かいながら海斗は曇り空の下でため息をついた。三限以降の講義を受けても、何となく気分が晴れなかった。


「 海斗ー、なんか元気なくね?」


 隣に座って講義を受けていた修二(しゅうじ)が教材をリュックに入れながら声を掛けてきた。


「え?そう?」
「ため息多い気がするから。ため息つくと幸せが逃げるぞー」

 確かに元気はない。しかし相談したところで何か変わるわけでもないことは分かっている。 海斗は無難な答えを口にして適当に流した。


「課題が多いしなぁ。まぁ、あとはあれだろ。五月病的な」

 あの会話だけで余計に回想したり、勝手に落ち込んだりしている自分を女々しく思い、 海斗は自分自身に少し嫌気がさした。会話に 京ノ介が出てきたから何だ。何も気にすることはない。
 そうやってもやもやを払拭するかのように 海斗はよし、と膝を両手で打って立ち上がった。

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タシャ(プロフ) - なつめみくさん» “かいと”です。何となくで設定したんですが、すごい偶然ですね! (2月15日 12時) (レス) id: 6d2c528b25 (このIDを非表示/違反報告)
なつめみく - まって名前変換の俺ってやつ元カレの名前と漢字同じだ!wまぁかいとかうみとどう読むかで変わるけど、、 (10月5日 19時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
タシャ(プロフ) - ゆいさん» すごい偶然ですね笑 閲覧ありがとうございます! (8月7日 22時) (レス) id: 6d2c528b25 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 名前設定した子が丁度サッカー部と吹奏楽部だったから一人で笑っちゃいました( ´∀` ) (8月5日 15時) (レス) @page7 id: c363f38072 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タシャ | 作者ホームページ:無いです  
作成日時:2023年7月28日 21時

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