第12話 ページ12
「合宿？」
端の座席に座る 恵那が顔を向ける。 海斗はそう、と返しながらリュックを置いて腰を下ろした。以前の部室の掃除で 海斗は合宿のことを少し聞いていたため、話を切り出したところだった。
「歓迎会兼合宿、らしい。詳しくは次のサークルがある日に。今のところは夏休みにやる予定だって。まぁ聞いた感じ、ほぼ遊びみたいなものじゃないかとは思う」
「ふーん」
電車が走り出すと同時に、 恵那は両足を伸ばしてほくそ笑む。
「楽しそう」
「だな。田舎なら星も綺麗に見えるだろうし」
「星をちゃんとみるのいつぶりだろう。 海斗、キャンプとか行くっけ？」
「俺、家族で夏休みによくキャンプしてたな。中学生以来行ってないけど。虫に刺されたくないからテントの中からひたすら眺めてるのが好きだった」
「私もそれぐらいか…いや、小学生以来？」
「だから楽しみだよ、この合宿」
電車が駅に停まり、扉が開いた状態で周りは静寂に包まれている。この時間帯では乗客が少ないようだった。
「 京ノ介さんも来る？」
「来るだろ、多分。部長だし」
「合宿中会えるの楽しみ」
そう言ういつもの調子の 恵那に 海斗は思わず笑みを浮かべた。「また言ってるよ」と友達間でのからかいのような、でも「気になるのはやっぱりそこだよな」と分かっていた結果に胸が痛むような気もした。
「それ、俺もだ。部長として何考えてんのかも気になるし。まさか変なレクリエーションとか考えていないよな…」
「あははっ、どうだろうね。懐かしいな、修学旅行のバス移動のとき 海斗が歌わされ」
「もういいだろその話は」
恥ずかしい思い出が蘇ったのか、 恵那の話を遮る。 恵那は「えー、いいじゃん」とにやにやした顔で意地悪そうに言った。
「意外と上手くてびっくりした。皆も上手いって言ってたし」
「そういう問題じゃ…」
「また歌ってもらうかもね。聞かせてあげなよ、 海斗の美声を」
ため息をつきながら背もたれに体を預ける 海斗を見て楽しそうに 恵那が笑う。まぁでも、と 海斗は再び口を開いた。
「それが一番怖いところだ。 京ノ介さんが変なこと提案したら、俺ら全員巻き込まれるんじゃないか？」
「可能性はあるね」
「ははっ…」
そうこう話しているうちに、あっという間に目的の駅まで着いていた。二人は電車を降り、引き続き他愛もない話をしながら家まで歩いた。
見慣れた街路樹の桜の花はもうほとんど残っておらず、爽やかな緑色になっていた。
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タシャ(プロフ) - なつめみくさん» “かいと”です。何となくで設定したんですが、すごい偶然ですね！ (2月15日 12時) (
レス) id: 6d2c528b25 (このIDを非表示/違反報告)
なつめみく - まって名前変換の俺ってやつ元カレの名前と漢字同じだ！wまぁかいとかうみとどう読むかで変わるけど、、 (10月5日 19時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
タシャ(プロフ) - ゆいさん» すごい偶然ですね笑 閲覧ありがとうございます！ (8月7日 22時) (レス) id: 6d2c528b25 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 名前設定した子が丁度サッカー部と吹奏楽部だったから一人で笑っちゃいました( ´∀｀ ) (8月5日 15時) (レス) @page7 id: c363f38072 (このIDを非表示/違反報告)
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