第1話 ページ1
無い。
海斗はズボンの後ろに付いているポケットに手を入れたまま固まった。スマホが無い。だが講義を終えて、いつものようにそのままポケットに入れたはずである。昼休憩のざわめきの中に取り残されたような感覚になる。スマホを落とすことはかなり面倒なことだ。
間違えてリュックに入れているかもしれないと思い、肩から下ろそうとすると右肩を叩かれた。顔を向けると、 海斗の肩を叩いたであろうその人物を見て少し頬を緩ませた。
思いを寄せている幼なじみの 恵那だった。
「 恵那？ どうしたの」
「これ、 海斗のだよね？」
徐に差し出されたのは 海斗のスマホだった。目を少し丸くして頷き彼女の手の平からスマホを受け取る。見慣れたケースに入ったそのスマホは間違いなく 海斗のものだった。
海斗はほっとしたように息をつくと、今度こそ後ろのポケットに入れたことを確認した。
「ありがとう、どこにあった？」
「ポケットの上を滑り落ちていくのが見えたの。入れようとしてたみたいだけれど。ちょっと面白かった」
そう言ってくすりと笑う 恵那とは対照的に、格好悪いところを見せてしまったような気がして 海斗は恥ずかしそうに目を逸らした。
「まぁ、とにかくありがとう。ところで、何か食べた？」
せっかくなのだから少しでも一緒にいたい、そう思いながらが訊ねる。
「ううん、お昼はこれから」
「待ち合わせしてる？」
「してないよ、今日は一人」
「じゃあ一緒に食べよう。奢る」
海斗の言葉に首を傾げ、 恵那の長い睫毛が瞬く。
「え？どうして？私何かした？」
「スマホ、拾ってくれたから」
「いいのに…」
「いいから」
恵那にとっては、 海斗がスマホを落としているところを偶然に目撃したから拾ったという、これといって特別なことではなかったがやや頑固な 海斗のことだからと思い、そうだねと頷いた。
「そこまで言うなら、お言葉に甘えて」
話す機会を得られただけでも、 海斗は嬉しかった。
食堂に入ると二人は食券機の列に並ぶべく向かって行った。
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タシャ(プロフ) - なつめみくさん» “かいと”です。何となくで設定したんですが、すごい偶然ですね！ (2月15日 12時) (
レス) id: 6d2c528b25 (このIDを非表示/違反報告)
なつめみく - まって名前変換の俺ってやつ元カレの名前と漢字同じだ！wまぁかいとかうみとどう読むかで変わるけど、、 (10月5日 19時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
タシャ(プロフ) - ゆいさん» すごい偶然ですね笑 閲覧ありがとうございます！ (8月7日 22時) (レス) id: 6d2c528b25 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 名前設定した子が丁度サッカー部と吹奏楽部だったから一人で笑っちゃいました( ´∀｀ ) (8月5日 15時) (レス) @page7 id: c363f38072 (このIDを非表示/違反報告)
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