腐った負け犬/山田一郎 ページ5
｢……一郎、ご飯置いとくよ｣
真っ暗な部屋にノックが響く
返事はなくて、ベットには芋虫みたいに布団にくるまった彼がいる
机に料理ののった盆を置いて一言、かけた
その声にも返事はない
｢一郎、少しでもいいから食べて。このままじゃ｣
｢煩い…一人にしてくれ…｣
私の声を彼は遮る
…バトルで負けてから…三日間はこの状態だ
二郎も、三郎も心配しているというのに…
渋々、部屋を出て行くと二人とも、此方を心配そうに見つめる
大丈夫、すぐに立ち直るよ、と彼らを誤魔化すのももう何度目だろうか
誰からも尊敬されていて、尊敬の数だけの期待を背負っていた彼には敗北程の絶望はないのだろう
…今はただ……時間が必要だ
｢ん……｣
夕暮れ時、微かな肌寒さで目を覚ました
机に伏せて眠ってしまっていたようで少し首が痛い
ぼんやりとする意識の中、瞳を擦り時間を見る
6時を少し回ったところで窓から差し込む西日が日暮れを伝えた
｢……ご飯、作らなきゃ｣
背筋を伸ばし固まった体を動かす
今日は何を作ろうか
昨日は洋食だったし、今日は和食にしよう
｢ね、姉ちゃん！！大変だ！兄ちゃんが！！｣
｢え……！？｣
階段を転がり落ちるように降りてきた二郎の顔は真っ青だ
一気に背中が冷たくなる感覚が走り抜けた
すぐに私は階段を駆け上ります一郎の部屋へと入る
床に倒れる一郎と泣きながら体を揺する三郎の姿がそこにはあった
｢っ……三郎！すぐに寂雷先生に電話して！二郎は一郎を運ぶの手伝って！！｣
｢ぁ……は、はい！！｣
｢わ、分かった！｣
一郎を二郎と私で車に運ぶ
運転は久々だが今は流暢なことを言っていられない
弟達を車に乗せて私は寂雷先生の病院へと走らせた
二郎はまだ動揺しているのか私の服を掴んでいる
三郎は寂雷先生のおかげか少し落ち着いている様子だ
数十分、車を走らせて寂雷先生の病院へ一郎を運ぶ
先生は適切な処置を施してくれて病室の外で待っていた私達に優しく微笑む
先生の話によると、過度な栄養失調とストレスが問題だったらしい
3日も食事を取らなかったのだ無理もないだろう
｢……一郎、入るよ｣
静かな病室
既に意識を取り戻していた一郎は上半身を起こし、ぼんやりと宙を眺めている
筋肉質な腕は細くなり目の下には濃いクマがくっきりと出来ている
｢兄ちゃん！大丈夫！？｣
｢いち兄！大丈夫ですか？｣
心配している弟達に、彼は何も答えない
流石に私も我慢の限界だった
一郎の顔を覗き込む二人を押しのけ彼の胸ぐらを掴んだ
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いちごシロップ - リク消化ありがとうございました！幻太郎祭り笑笑夢野先生のお話がたくさん見ることができて嬉しかったです！これからも応援してます！ (2019年4月21日 14時) (
レス) id: 99dc49cbe7 (このIDを非表示/違反報告)
言の葉結ひ(プロフ) - 月華姫さん» 誤字報告ありがとうございます！分かりました！書かせて頂きます！ (2019年4月20日 0時) (レス) id: 51c1ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
月華姫(プロフ) - →一郎夢【違法マイクの影響で夢主が精神だけ幼女になり一郎に甘えたり、一緒にお風呂入ろう♪と爆弾発言したり】以上の２つ両方ダメでしたら何方か１つお願いしますm(__)mではまたっ♪ (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8c63610ac2 (このIDを非表示/違反報告)
月華姫(プロフ) - →三郎夢【違法マイクの影響で三郎が黒い毛並みのまん丸おめめの可愛い子猫（手の平サイズ？）になって夢主にメッチャ甘えたら？】 (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8c63610ac2 (このIDを非表示/違反報告)
月華姫(プロフ) - リク夢３つありがとうございましたm(__)mどれもドキドキ胸キュンしました(//∇//)『純粋』理鶯夢にて『丁度、人形【を】同士で』で【を】余文字なのを報告します。此れからも応援しています！！また新たにリク宜しいでしょうか？ (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8c63610ac2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：言の葉結ひ | 作成日時：2019年4月9日 9時
