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姉を想う故/山田一郎(リクエスト) ページ3

「ん"〜〜ッ……はぁ…」

ぐい〜っと背を伸ばし、寝惚けた体を覚醒させる
いつの間にか暗くなっていた外を眺めて、冷めきったコーヒーを飲み干す
2階から音は聞こえない
弟達はもう寝たのだろうか
もう少し、もう少し、と言い聞かせているうちにかなりの時間が過ぎていたようだ

「……あねきぃ」

ぬるりと背後から伸びてきた手が私の胸の下で繋がれる
びくりと震えた私の体をぎゅぅっ、とその太い腕が抱きしめた
聞き覚えのある声が私の名を耳元でそっと囁く

「!?……い、一郎?」

何とか平然を保ち、そっと頭を撫でる
だが、彼が少しでも身じろぎする度、背中に擦り付けられる鍛え上げられた胸板に思考が掻き乱される
私の問いかけに彼は何も言わず、首元へと顔を沈めた
うりうりと猫のように擦り寄る彼は普段の頼れる兄貴肌、とは打って代わり愛らしさがある

「………あねき、ぜんぜんねてねぇだろ〜」
「え?あ、あぁ…もう少ししたらちゃんと寝るから…」

寝惚けた様子で、呂律の回らない言葉が彼の唇から紡がれる
首元へかかる吐息が擽ったくて肩が震えてしまう
まだ寝ようとしない私を見て、彼は不服そうにう〜、と小さく唸った
記憶に残ってる幼い頃の一郎そのままで思わず笑みが零れる
いつからか、随分と大人びて立派な二郎たちの兄にはなったが、私にとっては可愛い弟であることに変わりはない

「そぉやッてェ〜……いっつも、ねねぇ、だろ〜?……も-、おこったぁ」
「え、わッ!?」

彼の手が脇の下へ入り込む
暴れる私をものともせず、すっぽりと彼は私をその胸の中に収めた
ノースリーブだった私の肌と一郎の肌が触れ合って、なんだかドキドキしてしまう
寝惚けているのに、何処から私を持ち上げる力が出てくるのだろうか

「ほーらぁ〜……ていこうすんなぁ〜…」
「ちょ、一郎!降ろして〜!」

もがこうとびくともしない一郎の胸板をぽかぽかと叩く
それでもぐらりともしない彼はそのまま私を一郎の部屋へと運び込んだ
ぽふ、とベットに降ろすと逃げる暇さえ与えず私の体を抱きしめる
何日も店の畳や椅子に座ったまま寝てたからか、ベットがとても心地いい

「んむ……おやすみあねきぃ…」
「ちょ、いちろ…」

数秒も経たないうちに瞼が重たくなってくる
頭を撫でる彼の手が温かくて、気持ちいい
いつの間にか、私は眠っていて

気づけば朝日が登っていた
朝食時、私が男三兄弟に睡眠時の半裸、寝惚けての徘徊禁止令を出したのは言うまでもない

揉み心地/碧棺左馬刻(リクエスト)→←純粋/毒島メイソン理鶯 (リクエスト)



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いちごシロップ - リク消化ありがとうございました!幻太郎祭り笑笑夢野先生のお話がたくさん見ることができて嬉しかったです!これからも応援してます! (2019年4月21日 14時) (レス) id: 99dc49cbe7 (このIDを非表示/違反報告)
言の葉結ひ(プロフ) - 月華姫さん» 誤字報告ありがとうございます!分かりました!書かせて頂きます! (2019年4月20日 0時) (レス) id: 51c1ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
月華姫(プロフ) - →一郎夢【違法マイクの影響で夢主が精神だけ幼女になり一郎に甘えたり、一緒にお風呂入ろう♪と爆弾発言したり】以上の2つ両方ダメでしたら何方か1つお願いしますm(__)mではまたっ♪ (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8c63610ac2 (このIDを非表示/違反報告)
月華姫(プロフ) - →三郎夢【違法マイクの影響で三郎が黒い毛並みのまん丸おめめの可愛い子猫(手の平サイズ?)になって夢主にメッチャ甘えたら?】 (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8c63610ac2 (このIDを非表示/違反報告)
月華姫(プロフ) - リク夢3つありがとうございましたm(__)mどれもドキドキ胸キュンしました(//∇//)『純粋』理鶯夢にて『丁度、人形【を】同士で』で【を】余文字なのを報告します。此れからも応援しています!!また新たにリク宜しいでしょうか? (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8c63610ac2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:言の葉結ひ | 作成日時:2019年4月9日 9時

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