ただただあなたが好きなんです !2 〜短編集〜

G #49 Ishikawa 「青空が違う」 ページ1

「まもなく、東京駅、東京駅」



ここで降りたらいいのかな。



私は今、遠距離恋愛中の彼氏


石川慎吾の家に行っています。


この前の電話中________________________


「慎吾と電話するの久しぶりだね」


『だな。A元気？…ゴホッゴホッ』


「私は大丈夫だけど、咳大丈夫？」


『うん。大丈…ゴホッゴホッ』



なんて。ずっと咳してるんだもん。

慎吾はプロ野球選手として活躍
するために東京へ行っている。



寂しいし離れたくないし最初聞いたときは
たくさん、泣いた。


だから月に一回は電話している。

本当はもっとしたいけど慎吾も
忙しそうだから我慢、我慢。



けど、あんなに酷い咳されたらさすがに
心配MAX‼︎

だから、何も言わずいくつも電車乗り換えて
慎吾の住んでる街へとやってきた。


前に送ってもらった慎吾の家の写真と
住所を見ながら歩いた。



ここかな…

ピンポーン。


『はーい』


という返事と共にドアが開いた


『えっ…A⁈』


「来ちゃった…会いたかったの」


久しぶりに見た慎吾は風邪で辛そうだった。

いつもの可愛い笑顔も

今は無理してるって感じ。

髪もボサボサで…



なんだか、何も言えなくった。



私は慎吾に泣きながら抱きついた。



『ちょっ…どしたん？
A…泣かんといてや』




私は部屋に入れてもらった。


料理も出来ない彼の机の上には
インスタントラーメンの容器が沢山。


私が近くにいたら料理くらい作りに来るのに…


遠くで暮らさなきゃいけないほど
夢はそんなに大事…？



でも、彼の散らかった部屋の中には

慎吾の努力や闘いの日々がある。


そんなことを思っていると

慎吾が口を開いた。



『来るって言ってくれたらいつでも
迎えに行ったのに』


なんて鼻声で言われた。


そんなことを言われると余計に寂しくなる



こうやって、2人でいる時間

どんだけぶりだろう？

この時間が終わったら次はいつ会える？


寂しさ我慢しなきゃいけないほど
夢ははまだまだ未来なの？


慎吾は笑っている。

この感じ久しぶりだな…懐かしい。

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