彼の様子がおかしいので、尾行してみます。【木村良平】

ガチリレー ページ40

「うわ、20代だって。懐かし〜」


『わたしとのぶは兎も角、良平さんは2、3年前ですもんn……あべしっ！


叩かないでくださいよ！


わたしは江口くんじゃない！』


心の中で江口くんに謝りつつ軽く何回も叩いてくる良平さんを止める。


「ねぇ、リレーしようよ〜……」


のぶが退屈そうにしてるので説明をする。


『えっと、ルールは特にない！


強いて言えば妨害しないこと……かな。


1番手は男子、最後はわたしたち女子です！


さて、皆さんにお聞きします！


足に自信はありますか？』


「僕は別に、速くも遅くもって感じ。」


「俺もかな。それにもう鈍ってるし。」


男子は五分五分かな？


「わたしはぁ、リレーの選手でしたよぉ。


高校卒業してからまだ5年しか経ってないのでぇ、まだ自信はありますっ！」


きゃないさん速いのか〜。


だがな、わたしは学生のとき100m12秒だったんだ(どやぁ


……きゃないさんとわたしだと7歳差っていう決定的な差があるけど。


『皆さんに意気込みを聞いたところで、時間もないので始めまーす！


スタートはこの方、構成作家の諏訪勝さんに行っていただきまーす！』


売れっ子構成作家の諏訪さんだから無茶振りにも慣れてるよ！


……きっと。


『さあ始まります！ほらほら、早く移動して！』


2人が構えると諏訪さんが銃を持つ。


「位置について、よーい


……どん(パァン」


おお、三十路でもここまで走れるもんなんだねぇ。


わたしたちが構える。


今の1位は良平さん。


うわ、のぶ負けてやんの(笑)


きゃないさんはバトンを受け継ぎ、わたしも受け継ぐ。


「うわ、Aはえぇ」


きゃないさん遅いじゃないか。


最近の高校生はこれでリレ選になれんのか。


「あいつ、高校生のとき100m、12秒ですよ。


それにこの間ライブで体力鍛えてたんで速いんですよ。」


「あいつ何者だし……」


あっと言う間にゴール。


あぁ楽しかったなぁ。


『はぁ……ふぅ。


これでリレーはおしまーい！


優勝は、わたしのおかげで岡本・Aチーム！


いえーい！』


「いえーい！Aありがとー！」


『どうってことよ！』


いつもの癖でついドヤってしまう。


「そういうとこなければ完璧なのにね。


本当残念な美少女っていう肩書きが似合うよ。」


良平さん、罵るなぁ。今日は特に。


『あぁ！もうこんな時間！スタジオに戻らなきゃ！』


わたしが時間に気付き、走り出すと呆れた顔をされた。

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