スイーツ大好き系男子とわたし。【岡本信彦】

最初の挨拶 ページ7

わたしは、岡本さんとあの沢城さんの隣だった。


「あなた新人の子よね？初めまして、沢城みゆきです。

女の子同士、仲良くしてね。」


あぁぁ、沢城さんにお声をかけていただいた……。


『はいっ、AAです！是非よろしくさせてください！！』


わたしがそう言うと、沢城さんはふふっと笑った。


「よろしくさせてくださいって……。勿論よ、面白いのね、Aちゃん。


……あ、もう始まるみたいよ。新人だからって、遠慮しちゃダメよ。」


沢城さんに面白いって言われた！あぁ、嬉しい。

今までずっと憧れてた声優さんだったから。


『はい！』


監督らしき人が入ってきて、その人の持ってきた資料を貰った。


「えー、初めまして。わたしはこのアニメの監督を務めさせていただきます、渡辺です。

今回のキャストは、オーディションで公平に審査させていただいて、選ばれた方々ですからね。


期待してますよ。」


そんな監督の簡単な挨拶の後、キャスト陣の挨拶に移った。

主人公は大トリに、とわたしは最後に挨拶ということになった。


「じゃあ、俺から時計周りでいいですよね？

はい、大神裕翔役を担当させていただきます、木村良平です。


俺もこの作品がずっと好きだったので、声を担当させていただけて光栄です。

一生懸命頑張ります！」


良平さんが一礼を深くすると、大きな拍手が起こった。

律儀な良平さんを、監督も気に入ったようだった。


その隣にいる女性。この人はまだ、あだこれからと言われている期待の新人の方。


「初めまして！笹塚由莉奈役を担当します、河瀬美沙です。

まだまだ未熟者ですが、この作品で成長して行けたらと思います！


よろしくお願いします！！」


可愛い、先輩だとは思えない。いろんな人にペコペコしてて、目があったら全く話したことないわたしにも笑いかけてくれる。

モテる。これはモテるわ。


「あ、次俺か……。加藤大輝役を演じます、小野大輔です。

是非、この作品を素晴らしいものに仕上げたいです。


よろしくお願いします。」


小野大輔さんか。いつも元気らしいんだけど、なんだか元気がないみたい。

何かあったのかな？


……その小野さんの元気のなさの原因は、のちにわたしが仲良くなる先輩が原因だったのだけど。


2009年。まぁ、これがヒントだよね。

奇跡の逸材→←木村さん、ですか？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す