うしろのしょうめん (ページ28)

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episode27 ページ28

「な、何笑ってやがる！！」
盗賊達は私をじっと見つめ、未だ私の方にジリジリと迫ってくる
「……女をそんな目で見てると痛い目を見るって、知ってますか？」
私はそう言い、クナイを思いっ切り盗賊へ振りかざした
「ガッ！！！？」
「…はぁっ！！」
「ぐあっ！！？」
次々と盗賊が倒れていく、嗚呼、何だ…最初からこうすれば良かったんじゃないか、今までどうして戦いを避けてきたのだろう？私はどうやらクナイを持つことで戦いの"一部分"の記憶欠片を思い出せたらしい

「…はぁ、はぁ…」
「ありがとう…しんベヱくん、もう大丈夫だよ」
「おい！物凄い音がしたが何かあったの…か…！？」
どうやら私が盗賊を全員倒し終えた頃に、立花さんは喜三太くんと一緒に慌てて駆け寄ってきた
「立花せんぱぁぁぁいっ！！」
しんベヱくんは立花さんにしがみつき、鼻水をべっとりと垂らしていた
「なっ、と、盗賊…が…これは…一体…どういう事だ？」
「…私が全員、倒しました」
私はしんベヱくんに貰ったクナイに付いた血を拭き取り、立花さんにそう言った
「お前が…？全員倒した…だと？」
まぁ、信じられないだろう、私も正直驚いてはいた、ただ一つ、分かったことがある、何かの断片的な"欠片"に触れたら、私の記憶は一時的に戻るという事だ
「私は大丈夫です、さあお饅頭屋さんに行きましょう」
「…そ、そうだな…」
立花さんはあの二人よりも一番驚いていた、私もこんな事になるなんて思いもしなかったのだから仕方ない

「立川さん凄かったんですよ〜！盗賊をあれよあれよと倒しちゃって！！」
「…そうか」
あのクナイを持った時、戦闘に対する意欲はあった、だがあの時必死だったので闘った時のことはまだ良く覚えていなかった、代わりにずっと私の傍にいたしんベヱくんが私の事を話してくれた
「僕も立川さんが闘ってる所見たかったなぁ〜」
「まぁ、とりあえず、怪我は無いようだなだが、一応伊作に見てもらえよ」
立花さんに助言を貰い、私達はお饅頭屋さんへと足を運んだ