ローラさん短編 (ページ15)

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魅惑の血⑤ ページ15

Kiside
その言葉を聞いた時夢かと思った。
昔の話をしたそしたら健永は案の定泣いた。
その綺麗な涙を親指で拭っていると言われた言葉。

「意味分かってる？」

「分かってるよ、」

「無理だ…。」

「無理じゃない」

「俺はお前を傷つけたくねー」

「俺は傷ついたことない。」

そんなやりとりをして、お互いがんこだから静まり返る部屋。

「ねぇ、ミツ。ミツは知らないと思うけど。俺、いつもミツに指から血を飲ませてたの。ミツ噛む力もないくらい弱ってて、いつも、いつも、悔しかった。もっと頼ってくれてもいいのにって…俺ミツが好き。…好きだから俺ミツに血をあげれる。痛いことも我慢できる。ミツだからなんだよ？ミツじゃないとこんなことしない。だから番になろう。まだ血を吸うのが怖いなら、嫌いなら俺が一緒に考えてあげる。だから…！！」

もう限界だった。
泣きながら告白してきたこいつが愛おしくて俺の腕に閉じ込める。

「…ミツ？」

体が健永の血を求める。
欲しいって。
満たされたいって。

「…俺はお前を傷つけたくねーんだ。また、昔の二の舞にはしたくねー、」

「…うん。」

「正直、俺はお前が指から血をくれてたなんて知らなかった。ありがとな」

「…うん。」

「まだ、血を吸うのがこえーし嫌いだけど一緒に考えてくれるか？」

「…うん、」

抱きしめていた体を話して健永の目を見る。赤く腫れている目。こいつの全てが愛おしくてたまらない。

「…俺と番になって健永」

「もちろんだよ、宏光。」