雨の記憶 ページ35
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今日は雨。うんざりする。
髪はくしゃくしゃになるし、靴下は濡れるし、
何より彼を、思い出してしまう。
2年前、私はあかさくんに告白された。
好きな人はいなくて、でも欲しいなと思っていたから、付き合った。
何となく始まった関係だった。その前も大して仲がよかった訳じゃ無かったし。
彼は私のことが本当に好きなんだなと、いつも思わせてくれた。
初めてのデートの日の彼は、普段の冷静で物事を淡々とこなしていく印象とは全然違って、常に手がモゾモゾ動いてて、緊張してるのバレバレ。話しかけるとすごく嬉しそうな笑顔で、必死に話を盛り上げようとしてた。
会えない日には必ず送られてくるメール、かかってくる電話。
手を繋ぐ瞬間の、ぎゅっと握られる感覚。
キスするとき毎回、キスしていい？って聞いてくるとこ。
頷いて目を閉じて、暫くしても唇になにも感じないから目を開けたら、間近に私の顔をじっと見つめる君の顔。
会えばいつも何回も、かわいいって言ってくれた。
気付いたらあかさくんより、わたしの気持ちの方が大きくなっていた。
それが上手く伝えられていなかったのか、伝わりすぎてて飽きられたのか。
わからないけれど、結果としてあかさくんは、他の女の子のところへ行ってしまった。
正確には、わたしが行かせてしまったのかもしれない。
無自覚なのかなんなのか、あかさくんは他の女の子との距離が近かった。
わたしの気持ちが大きくなればなるほど、それが嫌で嫌で、仕方なかった。
「そういうの、やだ」
「え、そっか。ごめん」
「うん」
相手はあかさくんの元カノ。
浮気ではなかった、でも嫌だなって思った。
別れたあとに知ったけど、その子はあかさくんのことがずっと好きだったらしい。
「わたしじゃ足りないの？」
「そんなことないよ」
「わたしのすきは伝わってない？」
「...そんなこと、」
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耐えられなかった。
わたしをすきだと言ってくれて、わたしもだいすきだった人が、他の人に惹かれていくのを感じるのが。
「ばいばい」
最後にわたしが言った言葉。
暫く返事がなくて辛くて、電話を切った。
向こうからは雨の降る音が聞こえてた。
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「雨、好きじゃないんだー」
「え、俺も」
「そうなの？」
「うん。...じゃあさ、雨の日の夜は絶対電話するってしようよ、Aと電話できると思えば元気になる俺」
「なにそれ、でもいいかも」
「でしょ！？」
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君との約束の中で、わたしが一番すきだったやつ。
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さくらうめ - おりさん» すごいミラクルが起こりました…私の好きな人…よく京都に行っています…(o^^o)…是非お友達になりたいです！ (2018年10月15日 2時) (
レス) id: e23b3d6363 (このIDを非表示/違反報告)
おり(プロフ) - えぬえぬさん» わあぁコメントありがとうございます...(;-;)一番最初の話、私も書きながらきゅんとしてしまったのでそう言っていただけて嬉しいです笑 自分のペースで、ってすごく大事にしているのでそう言っていただけるのありがたいです。頑張ります* (2018年8月23日 22時) (レス) id: b57afa9fcd (このIDを非表示/違反報告)
えぬえぬ - 題名に惹かれて来たのですが、話の内容も濃く面白くてハマりました。個人的に一番最初のお話が好きです、他のお話も面白いのですが…（笑）これからも自分のペースで更新頑張ってください！応援しています (2018年8月23日 19時) (レス) id: 6c842c63e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おり | 作成日時：2018年5月27日 19時
