誰か世界を変えてくれ！【ヒプマイ】

変革7 ページ9

前略。



誘拐された。




右に碧棺左馬刻、左に入間銃兎。運転席、助手席にいるのは目付きの悪いお兄さん。



四面楚歌以上の状況じゃん。

というか碧棺左馬刻の怨みめっちゃ根強くない？私だったら忘れてる。




車の走行音だけが聞こえる車内は、かなり気まずい。


「おい。」

この静寂を破ったのは碧棺左馬刻だった。

「おい、お前、なんでさっき俺様をシカトした？」


私は逃げ出す方法を考えていてほとんど聞いていなかったがそれが碧棺左馬刻の逆鱗に触れたらしい。(まあ、当たり前だけど)

「おい！お前だよお前！女ァ、俺様を無視するだなんていい度胸じゃねェか」


「は、はい？私ですか？ごめんなさい、まだ死にたくないです命だけはお助けを！」


命乞いテンプレートを張り付けて対応していると、それがまた琴線に触れたらしく、怒鳴り散らす碧棺左馬刻。


隣で怒鳴られるとうるさいし怖いからやめてほしい……。でもそんなこと言えるはずがないから黙っていると横から入間銃兎が

「左馬刻、そんなに怒鳴ったら怯えて聞きたいことも聞き出せないだろ。」

と、なだめてくれた。碧棺左馬刻は舌打ちを連続でしたので車内に舌打ちメトロノームが流れるカオス空間になった。

一応、さらった張本人だけど助けてくれたのでお礼を言うと入間銃兎は


「いえいえ、こちらとしてもあなたに聞きたいことがあったので。まあ、あなたの返答次第ではしょっぴいてブタ箱にぶちこみますけど。」

となんのことなくさらっと言うので恐ろしい。


車はシンジュクの入り口から首都高にのって、ヨコハマを目指すらしい。



神様、私生きて中王区に帰れますか？

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