誰か世界を変えてくれ！【ヒプマイ】

変革32 ページ36

前略。




何とかして追っ手を撒けた。


「あの……助けていただいてありがとうございます……。」


「いや、大丈夫です……。ここはまだ危険だから貴女ははやく警察に行った方が良いと思います…。二人で行動して、二人とも捕まったらアレなのでここからは別行動にしましょう。」



「はい！じゃあ私は交番に行ってきます。」



教われてたお姉さんと別れたあと、私はしばらくその場を離れられなかった。


普段運動しない女がいきなり全力疾走したんだ。体のあちこちが悲鳴をあげてる。特に、太ももが限界だ。もう一歩も前に進めない。


というか、あのお姉さん、私と別れたあとも小走りで交番に行ってたよな……。なにか運動でもしてるんだろうか……？しかもけっこうヒールの高いハイヒールでダッシュしてたし……。

ま、わたしが運動しなさすぎるだけか。



きれていた息ももとに戻ってきたし、さ、そろそろここを離れなきゃ。
いつ追っ手がやって来るかわかんないし。




「该死！你在哪里逃跑了！」


「你应该亲近！找出来！」



ヤバッ！けっこう近くにいるみたいだ。足音も近い。
でも私はもうはやく動けないし……。

仕方ない。路地裏に入ろう。

「你在哪里？」


「我不会走远。」



やつらの足音が遠ざかっていく。


良かった、やり過ごせたみたいだ。

安心して道に出る。


すると……



「＿＿＿‼‼」



ハンカチで口を塞がれた。
まずい！これは名探偵コ○ンで見たことあるパターンだ。絶対、息を吸っちゃダメ、吸っちゃ……ダメなんだけど………



整理現象だし、吸っちゃうよね………



ああ、失敗した………


左馬刻さんに、なんて、言い訳しよう……



最後に見たのは私を後ろから襲ったピンク色のハイヒールだった。

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