誰か世界を変えてくれ！【ヒプマイ】

変革1 ページ3

前略。

なんやかんやあって、テリトリーバトル当日になった。しかも道に迷った。


道に迷った、というのには語弊があるかもしれない。




ここはどこだ！




が、正解かな。
いや、冗談とかじゃなくほんとにここどこ状態なんですよ〜。


でもさあ、テリトリーバトルじゃん？人多いじゃん？人波のパワーってすごいじゃん？流されるじゃん？人波から逃れようとするじゃん？そしたらこの結果だよ！


え〜〜〜、もう世界変えるとか夢のまた夢じゃん！

道に迷うような奴に世界は変えられないよな〜！

むしろこれから始まるラップバトルでさえ見れない可能性あるしね。
前途多難だわ〜。


軽口を叩いてる私は気づかなかった。

「staff only」

の文字に。



位置情報サービスのアプリを開いて、バトルの会場から以外と近い位置に居ることに安心していると


後方から数人の足音と喋り声が聞こえてきた。こっちに近づいてくる。


ヤバイ、隠れなきゃ。


私はとっさに曲がり角に隠れた。なぜそう思ったのかはわからないが、その数秒後私は隠れて正解だったと思った。




足音の主は三人の男の人だった。


めっちゃ美人系強面のお兄さんがスーツのお兄さんと迷彩柄つなぎのお兄さんを引き連れていた。


真ん中に居る、強面のお兄さん、めっちゃ顔怖い。確実に何人か殺りましたって顔をしている。

よかった、あんな人たち怖すぎてすれ違うこともできん……


お兄さんたちはそのまま通りすぎていくのかと思いきや私が隠れてる曲がり角の手前で止まって話し出した。
オイ、何でそこで止まるんだ！早く通り過ぎてくれ！
そんな私の心情とは裏腹にお兄さんたちは一向に先に行こうとしない。

どうやら、強面お兄さんがガチ切れらしくさっきから壁やら手近なものやらを蹴りつけてはストレスを発散している。
それをスーツのお兄さんがなだめて、迷彩柄のお兄さんが喧嘩は良くない的なことをいっている。

なんか、ビジュアルがすごいデジャウなんだよな〜……

あ！

うちの学校によく居る「ワガママお嬢様とそのお取り巻き」だ！


壁からチラリと向こうを見る。


キレ方はお兄さんの方が乱暴だけどまさにそれにしか見えない。

ヤバイ、自分で言い出したことなのに、ツボって来ちゃって………


「ブハッwww」


かなり下品な笑い方だったけど私は悪くない。


でも……




「あﾞ？なんだテメェ」

親愛なるお父さん、愛する弟よ、

どうやら私、これまでみたいです。アーメン

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