Pseudo romance (ページ47)

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#46 ページ47

「…携帯、見せて」

『私の？』

その満面の笑みに何を思ったか、彼に渡してしまった後。ものの数分でピコンっと音がした。

「これで、プライベートも深い付き合いができるね。」

『あ！…まさか、』

「名前は、そうだなぁ。スイートテヒョンにでもしとこうか」

『いや、！ちょっ、と！！困ります！、連絡は仕事用の携帯にしてもらえません？』

なんでロックをかけ忘れていたんだろうか。私の健全な携帯が一気に魔の手により汚されてしまった。

しかもプライベート用だと、もしマネージャーにバレた時に言い訳ができない。ただでさえ、そこら辺は安心して任せてくれてるのに。

「もう遅いよ。あ、だけど念の為そっちの連絡先も聞いとくよ。ブロックされそうだし」

『…いいです、もう。』

「ふふ。…俺の勝ちだね。」

勝ち誇った顔に、見向きもしたくない。他人に携帯を渡した私の浅はかさを思い知るようだ。

ようやく返してもらった後は本当に彼の番号が登録されているのかを確認して、消去、＿＿の作業途中でまた邪魔された。

｢いいよ、消しても後悔するのは(人1)だろうから｣

何処にそんな根拠があるんだろうか。それから自分の携帯を見てニヤニヤしてる彼が物凄く不気味だった。

「…こんなスムーズにいくとは思わなかったよ。お礼しなきゃね。目瞑って」

『な！結構です！』

「いいから。ほら、俺だって早く帰りたいんだよ」

『はぁ…』

絶対ろくなお礼じゃない。ここは思い切り警戒しないと、ってわざとらしく顔を両手で覆ってみた。

「ふっ、」

すると鼻で笑われた挙句の果てに歌まで口ずさみ始めて、突然触れられた髪に体が震えた。

『…まだ、ですか？』

「うーん、♪」

髪を丁寧に撫でたと思えば左耳にかけられて。

何をされるかの恐怖で固まってしまったが、まるで遊んでいるかのように耳たぶに触れた彼の指が優しくて驚いてしまった。

駄目だ、＿＿＿＿彼に顔向けできないくらい顔が熱い。