#25 ページ26
「JK!!今度こそ誘えたの?」
「……うーん、でも連絡先は教えた」
「は!?え、自分の?」
「うん。でも連絡くるか分からないから」
「……大人になったねぇ、JK」
「何を言ってるんですか、ジンヒョンこそ耳赤くなりすぎでしたよ」
みんなの笑い声に一人イヤフォンで耳を塞いだ。
何も考えてない。俺は動揺なんてしてない。たまたま流れていた音楽がラブソングだっただけ。
こんなに胸が締め付けられるのは、そのせいだから。ジョングガが仲良くしていても、俺は関係ない。
もう彼女とはこれっきり_______。もう会えないのか。
「そういえば(人1)ちゃんって、シュガヒョンの相手役の子と仲良さそうだったね、その子誘ったら(人1)ちゃん来るんじゃない?」
運悪くイヤフォンの接続が切れた瞬間、ジミンがそんなことを言い出しているのが聞こえてきて。
鬱陶しそうなシュガヒョンに話を持ちかけている。
散々毛嫌いしていたくせに、今になって(人1)のこと持ち上げるんだ。彼女はジョングガの誘いも断ってきた強者だぞ、そんな上手くいくわけない、と思いつつも。彼女に会えるきっかけが欲しかった俺は思わず彼らの話を聞き入っていた。
すると、シュガヒョンは相手役の子、ティアラさんの連絡先を知っているようで電話を掛けてくれることとなり。
「……はぁ。(人1)さんも来てくれるってさ」
たまたま隣にいた彼女が、なんと連日連夜の打ち上げに参加してくれることとなったらしい。
プライベートの彼女に会える。それだけで高鳴る心、逸る気持ち。
「僕達のホテル貸切だし。裏から入ってもらおう。ホテルの一室、あのスイートルームから見える夜景綺麗だし、」
「いやージミンはロマンチストだねぇ。いいねぇー!自由に飲み食いできるし。ただ夜の12時までそこから出られなくなるけど大丈夫なの?」
「……大丈夫大丈夫ー!ホビヒョンも誘っておいてね、女の子!」
これが彼女に接触できる最後のチャンス。俺なりに彼女の記憶に残る方法を考えないと。
でも話をしてくれるだろうか。俺にはもれなく(人1)と対立している、あの彼女が付き纏ってくるだろうし。
時刻は19時30分。運命の時間は21時。
誰よりも先に着替えて飛び出した。
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作者名:chay | 作成日時:2021年11月25日 5時