七話 ページ9
――ほらほら、そんな落ち込まないでください。そんな事をしている暇があるのなら鍛錬をしましょう
と、昨日まで励ましていてくれたしのぶさんも任務に行ってカナヲが帰ってくる日と同じくらいじゃないと戻れないらしい。アオイさんもちびっ子3人もお出かけらしく二日は帰ってこないとの事。
その為、鬼殺隊士の怪我に悶える声だけが響き渡る、若干、こう、怖い空間になっていた。
それに何よりも! 人がせっかく包帯とか取り替えたり薬とか塗ってやるってのに理不尽にしのぶさんじゃない、だと。とか男に身体を触られる趣味はねぇだの。散々だ。
もちろん、そういう身の程知らずにはこれはこれは、丁寧に治療をしてあげたさ。
「疲れたから休憩にしよう」
木刀を振るっていたマメだらけの手を上下にブラブラさせて力を抜いていく。
そして急いで自室にある棚の上に手を伸ばす。
「あった」
その感覚を見つけた瞬間にヨダレがポツポツと。この前、しのぶさんにご褒美です、と柏餅を貰ったのだ。
それはもう見事なまでに白く艶やかな輝きを放っている。
「おっ……派手に美味そうなもん食ってんじゃねぇか。俺にも分けてくれ」
そんな声が聞こえた瞬間、俺の手元にはまるで初めからそこになにも存在していなかったかのように寂しいものに変わっている………
「うわぁぁだあぁ! 僕の!!! 僕のぉ」
膝から崩れて項垂れてしまった
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作者名:フクラム | 作成日時:2019年11月10日 12時