【HQ】少女は嘘でできている (ページ4)

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嘘2コページ4

貴方side

時間も経って、今は放課後。
今日は短縮授業だったから早く終わった。

「Aバイバイ！委員会頑張ってね！！」

貴「ありがとう！〇〇も部活頑張ってね！！」

私は怯えながらもいつも通り嘘のセリフを吐いて、保健室へ向かう。

この学校は、生徒全員に部活所属することが義務付けられている。
ただし、委員会をやっている生徒は免除される。
私もそのうちの1人だ。

貴「失礼します」

保健室の戸を開けたが、誰もいない。
ベッドで休んでいる生徒もいない。
机を見てみると、保健の先生からメモ書きがあった。

【今日は会議があるためこっちには帰ってきません。18時になったらいつも通り鍵を閉めて職員室まで返しに来てください。】

委員会所属の生徒が部活を免除される理由。
それは、委員会の仕事量の多さだ。

保健委員は昼休みと放課後、必ず保健室いいなくてはならない。
これは当番制だが、問題は放課後。
私以外の生徒は皆部活に所属している。
そのため、放課後の当番をやりたがらない。

貴「ま、ここにはほとんど生徒も来ないし、集中できるからいいんだけどね」

そこで、昼休みの当番を免除してもらう代わりとは少し釣り合わないが、私が基本的に放課後の当番を全て請け負っている。

貴「さて、今日の課題をさっさと終わらせて、本読もう」

ここに、私の怖くてたまらない"人"は滅多に来ない。
元々、運動部が負傷しても、部内に救急セットが支給されている。
つまり、倒れでもしない限りここへは来ない。

この時間だけ、学校の中でも"嘘"で固める必要がない。

貴「自分で決めたことだけど、嘘ってつき続けるのもしんどいのね」

そして、つき続けている嘘は、いつか"嘘ではなくなる"気がして怖い。

ガララララッ

滅多に鳴らない戸の音が、静かな部屋に響き渡った。