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side 宇野昌磨
こんなに二人きりで落ち着いて話すのなんていつぶりだろうか。
みーは少しめんどくさそうな顔をしているけど、本心じゃないのは知ってる。
「フリーよかった。みーでもあんなふうに滑れるんだな」
皮肉たっぷりに言ってみるが、みーは特に言い返すこともなく「うん」と頷いた。
「ほんとお前、変わったな」
性格はそのままだけど、演技全体の完成度が上がった。
「演技になってきたよな」
「うん。まぁ、それは葉月ちゃんが教えてくれてるから」
宇佐美さんは確かに演技派だったと、現役時代をボンヤリと思い出す。
でも、フリーのあの演技はそれだけでできたのはそれだけじゃないよな。
「好きな奴のこと考えながらしたんでしょ？」
みーの能面が心なしか曇ったように見えた。
「…。」
「黙んなよ」
みーが困ってしてしまうほどの恋愛ってなんなんだ。
ここまで、みーを振り回せるやつってなんなんだ。
そっとしておくべきなんだろうけど、好奇心が先行してしまう。
「どんな奴なんだよ？」
「別にいいじゃん」
ゆづくんも酷い奴じゃないとは言ってたけどここまで隠すこともなくないか。
「どうせ、俺の知らない奴なんだろ？」
「…。」
みーは何故か肯定も否定もなく口をつぐむ。
「え？知ってる人？え？」
「…。」
まさか、ゆづくんとか言わねぇよな。
それでなくとも、ハビエルとか。
額に嫌な汗がにじむ。
どっちに転がっても悲恋に間違いはない。
「ゆ…ゆづくんとか言わないよな？でなくてもハビエルとか…」
みーは俺から顔をそらして横向いてしまった。
否定も肯定もないなんて、事実上の肯定だ。
「いや、待て！早まるな！どっちも彼女い…る」
はっとした。
肩をつかんでみーをこちらへ向かせた瞬間、みーの頬に涙が伝っていた。
みーが泣くなんて。
問い詰めたことに罪悪感が募る。
「悪い…」
こんなつもりじゃなかった。
「ごめん。みーが恋とかめずらしくてつい…」
よほど、わずらわしかったのか潤んだ目できっとにらまれる。
「めずらしくないわ！」
怒るところそこ？なんて空気の読めない突っ込みはできないけど。
「でも、初恋でしょ？」
「初恋だよ！」
いつぶりだよ。
みーがこんなに怒鳴るの。
「は？初恋ならめずらし…」
「こっちは、幼稚園の時からずっと恋してんの！」
「何言ってんの？」
みーは潤んだ目でじっと俺の目を見つめていた。
「お前だよ」
蚊の鳴くような弱々しい声だった。
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らっき(プロフ) - 完結されてからかなり経ってしまっていますが、読ませていただいてすごく好きな作品になりました。書いて下さってありがとうございます！それだけ伝えたくてコメントしました(*^^*)見てくださるといいなぁ、なんて思ってます！ (2021年12月7日 22時) (
レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ(プロフ) - 大変お久しぶりです。最後まで読ませて頂きました。ぜひとも、時間があるときで構いません。名前を自分の名前に変換したものを読みたいので、よろしくお願いします。 (2018年9月2日 8時) (レス) id: 058ee396c0 (このIDを非表示/違反報告)
納子(プロフ) - yuccoちゃんさん» ほんとうに読んでいただきありがとうございました！ (2018年4月9日 9時) (レス) id: 21906f0f83 (このIDを非表示/違反報告)
yuccoちゃん(プロフ) - こんばんは！ゆづのドSなセリフにトキメキました！言われたい！サイコーの終わりでした！番外編で続きも読みたいです！ (2018年4月8日 1時) (レス) id: 72d5e5baf7 (このIDを非表示/違反報告)
納子(プロフ) - 鹿さん» いつも丁寧なコメントをありがとうございます。読んでいただけてほんとうに嬉しいです (2018年3月29日 20時) (レス) id: 21906f0f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：納子 | 作成日時：2017年9月7日 21時
