＊4 ページ27
▽△
自分でも、このタイミングで伝えるとは思ってなかったけど。こんなに平和な時間のあとで、帰る場所が同じだといいな、と考えたら、自然と言葉が出ていた。
Aは驚いて、でもすぐに返事をくれた。はにかんで笑った顔を見ながら、ずっと昔からここまで来たかったような、そんな感覚になる。
半分まで食べた俺の蕎麦を見て、やっぱり七味はかけないのかと真面目に聞いてきて、笑ってしまう。面白いなぁ。
「いいよ、かけて」
「え、私がかけるの？」
はい、とどんぶりをAのほうに寄せると、七味の蓋を開けたAがビンを振る。最初の量が少なく、強めに振ると、どばっとでた七味が山になり、汁に染みていく。
黙ったAが数秒後、テーブルに頭をつける勢いで謝まり、そのまま動かないので顔をあげさせる。涙目になったAが、じっと見つめてくる。……うん。可愛いな。
スプーンで大量に七味がかかった部分を掬っていくと、おおー、と謎の拍手をされる。
「ほら、冷めるまえに食べよ」
「……陸さん」
「ん？」
なに？と首を傾げると、感激しているような表情のA。そして、私、陸さんとずっと一緒にいたいです、と言われ、聞きながら飲んだ水でむせそうになった。
……不意打ち。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぎょ(プロフ) - さとさん» うわーお、なんか恥ずかし…！お心遣い、どうもありがとうございます！とてもとても嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします◎ (2019年2月18日 23時) (
レス) id: 2a62607b53 (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - ちぎょさん» 今日りぶさん呟いてたからもしかしたら〜っと思ってみに来たら更新されててめっちゃ喜びました笑今回のお話も大変素晴らしかったです！ちぎょさんのペースで無理のない程度に！続きをお待ちしておりますね(*´ω`*) (2019年2月18日 21時) (レス) id: c34507fc0b (このIDを非表示/違反報告)
ちぎょ(プロフ) - ぎささん» ぎささん、コメントありがとうございます！神作品だなんてそんな…(にやにや) 時間ができたら書きますので、更新してたらラッキー！くらいに思ってくださると嬉しいです笑 (2019年2月16日 23時) (レス) id: 2a62607b53 (このIDを非表示/違反報告)
ぎさ - りぶさんの小説見よう！と思ったら、なんだこの神作品は！むっちゃ面白くてドキドキしました。続き待ってます。 (2019年2月16日 7時) (レス) id: 41472084dd (このIDを非表示/違反報告)
ちぎょ(プロフ) - さとさん» さとさん、コメントありがとうございます！やっぱり、言葉で感想を伝えていただけるのは、ものすごく嬉しいですね…どうもありがとうございます。今日の疲れ吹っ飛びました！これからも書いていきますので、よろしくお願い致します* (2019年2月14日 23時) (レス) id: 2a62607b53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちぎょ | 作成日時：2018年8月18日 1時
