数年越しの。【りぶ】

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「ていうかりぶさん、初恋キブンソーダって…」

「え？…あー、見られてましたか」

「ええばっちり」



いや、まあ、とどもるりぶさん。


「どんな味かなって、試しに…」

「へー…」

会社員男性(28)が初恋キブンか(失礼)、と喉元まで出かかりこらえる。


「どんな味でした？」

「んーなんか、一回飲めばいいやって感じでした」

「あーやっぱり」


ふー、と腰に手を置き、考える。憧れのりぶさん。目の前にいらっしゃる。なんともかっこいい。

生歌聴きたい。生歌聴きたい。それしかない。
逃がすかこのチャンス。



えー、ごほん、と咳払いをする。

「つきましてはりぶさん」

「(つきましては…？)はい？」


「恐縮ながらお願い事が…」

「…ああ、えーと、よければ少し歌いましょうか」


！！！！


なぜわかった！エスパーりぶさん！！

神対応！！と感激しながらぜひ！と頭を下げる私。
未だかつてないほど深いお辞儀をする。


いやいや、と笑いやめさせるりぶさん。

やだ惚れそう。もう惚れてる。

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