数年越しの。【りぶ】

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数分後、出来上がり。


「はい、どうぞ、りぶさん。二日酔いにはグレープフルーツがいいんですよ！」


自慢気な顔でジュースを差し出してくるAさん。
俺まだ二日酔ってないけど。あ、うまい。



「ありがとう、俺のためにこんなね、わざわざ」

「やーいいんですよ、バースデーですから」

「うんうん、かなり過ぎたけどね」



なんか、Aさんといると、予想外のことばかりで。
すごいことをしているようで、でもこれが普通になったら面白いな、とか。


後片付けをし始める彼女を(手伝おうとしたら、野暮な！と断られた)ぼーっと見てたら、急に歌いたくなってきた。

水の音に負けないくらいの声量で歌い出す



△▽


あまりにも自然に歌いだすもんで、少し吃驚した。
けど、その顔の楽しそうなこと。

嬉しくなって、残り少ない洗い物を片づけ、後半は目を閉じて聴き入る。



「私この歌大好きです、ほんと元気でる」

「ね。俺も」


ああ、なんか呼べそう。いいかな


「陸さん、ありがとうございます」


少し驚いた顔で、うん、と笑ってくれた。
　

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